あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

re-study

2006-04-04 21:35:05 | Weblog
昨日、10日前にCABGやった患者のre-studyがあって、さっき見てきた。
僕が初めてIMAを取らせてもらった記念すべき患者さんである。
AOの裏を通してつんつんになっており、吻合のときはややフローが悪く思えたが、re-studyではしっかりと流れていた。やったー、とりあえず第一例目は成功、来週、第2例目のre-studyあるので楽しみである。こちらはLADにつなぎkey graftとなっているので失敗は許されないが、もう結果は出ているのだろう。

人工腱策

2006-04-04 21:26:31 | Weblog
今日はMVP+TAP+RA-MAZEの前立ち、一例のみ。
今日の人はLAが40mmぐらいであまり大きくなく、視野展開にやや苦労していたが、ボスはこういう時はいつもタオルを入れてpapillary muscleを外から押すようにしてtrigonをLA側に浮かせ、弁輪の糸をかけてしまう。こうして、左右のtrigonの糸をかける、続けて後尖の弁輪にも糸をかけていくと、いつの間にか弁が見えてくる。MVPは見えてしまえば、後はやることはだいたい決まってくる。
ここのところはボスのなかで人工腱策がブームで40-50例ぐらいは続けてやったのではないかと思う。これまでの経験から、前尖のprolapseにはいい適応となるが後尖では、術後に1度程度でもMRが残ると、そのジェットがリングにあたり溶血を起こして貧血が進行してしまい再手術となった症例が2例あり、また外来にそれらしき人がもう1人おり、当院においては後尖のprolapseは人工腱策よりは切除するほうがいいという見解になりつつある。

今日の方はP3からposteriol commisureにかけてのcordaeが飛んでて、今回は人工腱策はやらず、切除してあわせて、あとmagic sutureを追加してほぼ終了となった。CEP-ringいれて逆流テストでP2からわずかに漏れるが、この程度はかまわないとのことで、CPB離脱後のTEEではMRなくなっていた。
今日はmagic sutureとはどんなものか、初めてわかった。あと、どの程度の逆流がOKかの見極めが大事であることを学びました。
最近になりMVPの戦術と戦略とがすこしわかってきたぞ。