金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【金融】 イラン情勢の続きです。

2020-01-08 07:25:52 | 金融マーケット

 イラン情勢のことを、よく判っている人とまだお話ができていないので、引き続き一般論で申し訳ありません。

 イランが核開発を進めていくとすると、ある程度のレベルまでくると、イラン国内に潜入しているイスラエルやアメリカの情報筋から複数の「確証」を得た上で、イスラエルは「核開発施設」を空爆することになります。これは歴史上でも、1981年にイラクの施設を爆撃していますので、そんなにサプライズな出来事ではありません。まぁ、人の国の施設を勝手に爆撃するのですから、国連あたりでは非難決議がされますが、イスラエルからすれば、そんなことを気にしている場合ではありません。

 アラブ諸国やイラン、あるいはISあたりが核兵器を保持し、最初に標的にされるのは間違いなくイスラエルだからです。シリアやエジプト、ヨルダンなどの周囲の国々からも、イスラエルを標的にするのであれば、まず批判されることがないですし、アメリカが黙認さえすれば、もうそれでイスラエルを世界から消しても許されると、イランやISは本気で思い込んでいます。もちろん、イスラエル自身がそういう危機感を持っているので、これが先制攻撃を仕掛ける理由になる訳です。

 このあたりの感覚、日本人にはなかなか理解できないのですが、すでに北朝鮮が核を持ち、日本列島のどこにもミサイルを撃ち込む技術を持っていると想定される現在、イージス艦や迎撃ミサイルが「全弾命中」とはいかない現実がある中にあって、地元にミサイル基地を設置することですら抵抗を示す我が国の民意と比べると、イスラエル国民の意識は常に戦時のそれなのです。

 本題に戻ると、革命防衛隊と思われる組織によって、米軍施設が破壊されたり、日本の船舶が攻撃を受けたり、サウジの原油施設が燃やされたりしたけれど、特に軍事行動には出ず、経済制裁だけに留めていたのが直近までのトランプ政権。かつて、シリアの空軍施設にいきなりトマホークを撃ち込んだことはありましたが、それ以降はおとなしく、結果的に革命防衛隊に好き勝手にやられていた。このままだと、イラクもイラン化するリスクが大となった状況下で、ようやく軍事行動ではない「暗殺」という手段に出たさて、これに対して、イランはどう出るか? ということ。もし、イランが軍事行動に出るとなると、すぐにイスラエルはイランの核施設の空爆の大義を得ることになります。アメリカも同じ

 だいたい、安倍さんがハーメネイー師と会談している最中に、ホルムズ海峡で日本船舶を攻撃する指示を、ハーメネイー師自身が出している訳がなく、明らかに革命防衛隊の暴走だったと思います暴走する国民的英雄を、最高指導者はどう評価していたのでしょうか?

 少なくとも、この人物の暗殺を理由に、師が、アメリカやイスラエルとの戦争を決断することはあり得ないと思います。


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