日曜日の王将戦戦第2局は落としましたが、渡辺三冠の天下統一への道が始まっています。
まずはA級順位戦で7戦全勝、7回戦までで2敗の棋士がいなくなったため、1月29日の一斉対戦前に名人挑戦が決定しました。年初に、今年最大の決戦になると予想したとおり、豊島名人 対 渡辺三冠の頂上決戦が決定いたしました。まさに天下分け目の闘いとなります。
さらに叡王戦でも、挑戦者決定三番勝負に進出が決まりました。この挑戦者決定戦でも、豊島名人・竜王とぶつかる可能性がありますが、もし、ここでも勝って挑戦者に決まると、年初から、王将戦・棋王戦・名人戦・叡王戦・棋聖戦と、将棋タイトル5連戦に臨むことになります。これはもう、天下統一への道と言って良いでしょう。天下の趨勢を決めるのが、春の名人戦七番勝負です。今から待ち遠しい限りです。
一方で、渡辺三冠にとって不安材料は、何と言っても「過密日程」。これだけタイトル戦が続くと、移動日や前夜祭を含めて、ほぼ連日対戦が続くこととなり、休日や研究に充てるスケジュールが取れなくなります。かつて、羽生永世七冠しか経験のない厳しい道のりとなる訳ですが、「羽生時代」から「渡辺明時代」へ、新たな時代をこじ開けるためには、避けては通れないハードルとなります。
このハードルを、渡辺三冠が乗り超えるか否かも、注目していきたいと思います。