サンデーサイレンスの子供たちの多くがダービー・オークスを目指すことを求められたため、初期の活躍馬は、マイルから中長距離に偏っている傾向があります。その後、デュランダルやビリーヴが出たため、途中からは短距離路線を目指す馬たちも増えました。しかし、ダート路線はゴールドアリュールだけでした。これは、おそらく潜在的にダート適性があるにも関わらず、試されるチャンスが少なかったことも影響していたと思います。
本日のテーマは、サンデーの後継者である種牡馬ディープインパクトのサイヤーラインの可能性です。初期の産駒だったリアルインパクト、キズナ、ワールドエースなどの子供たちが昨年デビューしたばかりですが、中でもキズナが新種牡馬ランキング1位で、かつ中央の重賞勝利数も既に6勝と凄まじい成果を出しています。しかも、クラシックディスタンスだけでなく、短距離からダートまで、活躍範囲が広いのが特長。キズナ自身がディープよりも馬格があって、競り合いに強かったことが上手く遺伝しているように見えます。
またリアルインパクトは初年度からGⅠ馬ラウダシオンを出しました。ディープ自身はまだ短距離GⅠ産駒を出せていませんが、グランアレグリアやミッキーアイルを見れば短距離適性も問題ないはず。短距離を試すチャンスが少なかっただけで、ひょっとすると、短距離路線のサイヤーラインは、リアルインパクトを通じて伸ばしていくのかもしれません。
そしてダート路線。ディープ産駒にダートは向いていない、と決めつけていると痛い目に遭うかもしれません。実はサンデーもそう言われていました。今はまだ、輝くダート適性を示せていませんが、これからの産駒か、キズナ産駒あたりから、ダートの血脈が生まれていくのかもしれません。
その観点から、今週のレパードS、ラインベックの走りに注目しております。