昨年末の有馬記念で3着となったフィエールマンが、年明け早々、けいじん帯炎が判明し、急遽引退が発表されました。ディープインパクト産駒の牡馬で初のGⅠ3勝馬であり、極めて厳しい馬場状態だった凱旋門賞遠征をこなしたあと、サトノダイヤモンドのように燃え尽き症候群に陥ることもなく、最後まで走る闘争心を持ち続けた名ステイヤーでした。
ただ、ビックリしたのは、この馬の繋養先が日高のブリーダーズスタリオンステーションで、安平町の社台スタリオンステーション(以下、社台SS)ではないこと。まぁ、年初急遽の引退だったことから、社台SSに「空き枠」がなかっただけなのかもしれませんが、本来ならば、ディープの後継者候補として、安平町の社台SSで2~3年くらいは繋養して、ノーザンF・社台F・白老Fにいる名牝たちと配合して、産駒の評価を確認したかったところではないでしょうか?
それとも、勝ったGⅠが全て3000m以上のため、吉田勝己総帥としては、早めに見切っていたのでしょうか? サートゥルナーリアを社台SSに入れて、フィエールマンを日高に出したのは、そう見切ったように思えます。でも、府中2000mの天皇賞秋で、最後までアーモンドアイを追い詰めた32秒台の切れ味は、単なるステイヤーの差し脚ではありませんでしたので、種牡馬として大化けする可能性は十分な気が致します。
配合の天才である吉田勝己総帥も、直近では、ディープ×アンブライドルドソングの流れを読めなかったり、必ずしも、以前の神がかり的な洞察力がある訳ではありません。もし、フィエールマンを早々に見切ってしまっているのだとすると、これもまた、生産界での大きな転換点のトリガーになる可能性があります。
まぁ、ノーザンF陣営としたら、もしフィエールマンが種牡馬として成功すれば、またブリーダーズSSから、高いお金を払って買い戻せば良いと考えているだけかもしれませんが‥。社台SSとブリーダーズSSとは、そんなに遠い関係ではありませんしね。
私としては、この間に、日高の弱小牧場で生まれる、多くのフィエールマン産駒が、大活躍することを期待してやみません。