金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【コロナ禍】 陽性で自宅隔離 それでも出かける事情とは?

2021-01-22 07:15:28 | 金融マーケット

 東京都のコロナ用の入院病床数が不足する中で、多くの無症状の陽性者は、自宅での2週間隔離を義務付けられています。自宅隔離の方々は、担当の保健所の方から、時々連絡があって、症状に変化がないかどうか確認されるのですが、6名に1人の割合で、そのうち連絡が取れなくなるという実態があるそうです。

 無症状とは言え陽性者ですから、出歩いてしまえば、世の中にコロナを撒き散らす無責任な行動を取っているということ。このことはけして許される行動ではありません。しかし、こうした背景には、非正規雇用者の追い込まれた事情があることも忘れてはなりません。

 正規雇用者であれば、2週間の自宅隔離でも、賃金や賞与が減少する事態にはなりませんが、非正規雇用の方は、コロナ陽性というだけで、仕事を失ったり、生活資金が失われたり、という事態に追い込まれていくケースが多発している様子。

 生活資金が尽きてしまった時、自宅隔離期間をただ水を飲んで凌いでいくのか、無症状であるなら、1000円でも2000円でも稼ぎに行きたくならないか。そうした緊迫した事情に追い込まれる人が増加しているということ。

 コロナ感染者数の急増が、医療現場を崩壊へ向かわせていると同時に、多くの方々、特に非正規雇用の方々の生活を、かなりのスピードでギリギリまで追い込んでいます。このことは世の中の治安を悪化させるだけではなく、無理な働き方が増えて、かえって感染スピードを増す原因にもなっているようです。

 昨年の第一波、第二波を乗り超えた時、日本人の道徳心の高さが世界からも賞賛されましたが、今、その高潔な国民性すら危なくなるほど、追い込まれてきたということ。これこそ大変深刻な状況だと感じざるを得ません。


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【訃報】 クロフネ 老衰で死去(23歳)

2021-01-21 06:54:22 | 競馬

 クロフネが繋養先の社台SSで亡くなりました。23歳でした。昨年をもって種牡馬も引退して、功労馬として社台SSで余生を送っていたところでした。

 クロフネの同期には、アグネスタキオン、ジャングルポケット、マンハッタンカフェがいて、世代のライバルはアグネスタキオンでしたが、皐月賞のあと、屈腱炎を発症して引退。一方のクロフネは、NHKマイルを勝ってダービーへ駒を進めましたが、5着に敗れ、その後、秋の天皇賞2000mを目指すも、まさかの除外。仕方なく、ダートの武蔵野Sに出走したところ、歴史的大差で圧勝。そのまま、ジャパンカップダートに出て、これまた圧勝。そして誰もが、次は「ドバイ・ワールドカップ」の勝利だ、と思った瞬間、「屈腱炎」で引退。

 引退後は、種牡馬としてフサイチリシャールやカレンチャン、アエロリット、そして昨年の最優秀2歳牝馬のソダシなどを出しています。ライバルのアグネスタキオンは種牡馬としての時間も短く、若くして鬼籍に入ってしまいましたが、クロフネは17年も種牡馬として活躍しました。

 今でも、もしあの時のドバイワールドCに出ていたら‥と思ってしまいますアメリカのダートチャンピオン達を蹴散らして、大差で勝っていたら、これはもう、芝で言えば、日本調教馬が凱旋門賞を大差で勝つようなもの

 ちなみに、ヴィクトワールピサが勝ったドバイワールドCは「オールウエザー」であり、「アメリカンダート」ではありませんでした。アメリカンダートで、アメリカのチャンピオンホースを破れる馬は、もう暫く出てくるとは思えません。

 クロフネさん、23年間、ご苦労さまでした。安らかにお眠り下さい。合掌


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【電撃引退】 サートゥルナーリアに想うこと

2021-01-20 06:46:14 | 競馬

 2018年のホープフルS、2019年の皐月賞を勝ったサートゥルナーリアの体調が戻らず、引退が発表されました。引退後は、社台SSで種牡馬生活をスタートするとのこと。

 このサートゥルナーリア、このコラムでも事あるごとに取り上げてきましたが、とにかくデビュー前から、ノーザンFの、そして生産界の期待を一身に受けた存在でした。それ自体は、この馬にとっても良いことだったと思いますが、不幸だったのは、デビューの年に、キングカメハメハが体調不良により種付けを中止したこと、そしてその1年後に、ディープインパクトとキングカメハメハが相次いで亡くなったこと

 その結果、父のロードカナロアは、単なる短距離・マイル専門の種牡馬ではなく、クラシック路線にも強い種牡馬へイメージを拡張する必要に迫られ、その期待は子のサートゥルナーリアにも重く圧し掛かったこと。2歳秋の段階から、凱旋門賞制覇の夢を賭けられていたのですから、堪ったものではありません。

 サートゥルナーリアの良さは、仕掛けてからの反応の速さと瞬発力。特に、仕掛けてからの反応の速さは、アーモンドアイやコントレイルとも同格の素晴らしいもの。ただし、瞬発力については、その最高スピードの持続力が200m程度と短かったのが弱点。アーモンドアイやコントレイルは、この持続力が300~400m前後なので、2000m以上では彼らとは勝負にならなかったと思います。ちなみに、3歳時に天皇賞秋に挑戦した時は、先行したダノンプレミアムと並んで暫くトップを競り合いましたが、ダノンに競り負けして、ゴール前100m前後で脱落しました。本質的には2000mも長かった証左だと思います。

 サートゥルナーリアの本来の適性距離は、マイル前後だったと思います。あるいは1200mでも素晴らしいパフォーマンスを示すことが出来たかもしれません。最初から、この馬の適性に合った距離で使い続けてもらえたら‥。父ロードカナロアを超える名スプリンター、名マイラーが誕生していたかもしれません。

 「馬優先主義」ではなく、「牧場事情優先主義」がもたらした悲劇のヒーロー、そんなイメージが彼の面影に重なってしまいます。


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【新種牡馬】 フィエールマンへの期待と社台SS

2021-01-19 06:52:33 | 競馬

 昨年末の有馬記念で3着となったフィエールマンが、年明け早々、けいじん帯炎が判明し、急遽引退が発表されました。ディープインパクト産駒の牡馬で初のGⅠ3勝馬であり、極めて厳しい馬場状態だった凱旋門賞遠征をこなしたあと、サトノダイヤモンドのように燃え尽き症候群に陥ることもなく、最後まで走る闘争心を持ち続けた名ステイヤーでした。

 ただ、ビックリしたのは、この馬の繋養先が日高のブリーダーズスタリオンステーションで、安平町の社台スタリオンステーション(以下、社台SS)ではないこと。まぁ、年初急遽の引退だったことから、社台SSに「空き枠」がなかっただけなのかもしれませんが、本来ならば、ディープの後継者候補として、安平町の社台SSで2~3年くらいは繋養して、ノーザンF・社台F・白老Fにいる名牝たちと配合して、産駒の評価を確認したかったところではないでしょうか?

 それとも、勝ったGⅠが全て3000m以上のため、吉田勝己総帥としては、早めに見切っていたのでしょうか? サートゥルナーリアを社台SSに入れて、フィエールマンを日高に出したのは、そう見切ったように思えますでも、府中2000mの天皇賞秋で、最後までアーモンドアイを追い詰めた32秒台の切れ味は、単なるステイヤーの差し脚ではありませんでしたので、種牡馬として大化けする可能性は十分な気が致します。

 配合の天才である吉田勝己総帥も、直近では、ディープ×アンブライドルドソングの流れを読めなかったり、必ずしも、以前の神がかり的な洞察力がある訳ではありません。もし、フィエールマンを早々に見切ってしまっているのだとすると、これもまた、生産界での大きな転換点のトリガーになる可能性があります。

 まぁ、ノーザンF陣営としたら、もしフィエールマンが種牡馬として成功すれば、またブリーダーズSSから、高いお金を払って買い戻せば良いと考えているだけかもしれませんが‥。社台SSとブリーダーズSSとは、そんなに遠い関係ではありませんしね

 私としては、この間に、日高の弱小牧場で生まれる、多くのフィエールマン産駒が、大活躍することを期待してやみません。


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【重賞回顧】 愛知杯・日経新春杯・京成杯

2021-01-18 06:50:51 | 競馬

 まずは土曜日の愛知杯勝ったマジックキャッスルは、中京芝が、そろそろ外差しが効くと信じて乗った戸崎圭太騎手のファインプレーもあって、豪快な差し切り勝ち。牝馬クラシックはデアリングタクトの陰に隠れて脇役に過ぎませんでしたが、ここで重賞初制覇となりました。惜しかったのは、2着のランブリングアレー。今の中京芝の勝利の方程式どおりに、好位から内側を捌いて、そのまま押し切るかに見えましたが、マジックキャッスルの鬼脚に屈した形。でも、この馬はいずれ重賞を勝つと思いますので、追いかけてみましょう。

 

 そして日曜日の日経新春杯勝ったのはオルフェーヴル産駒ショウリュウイクゾスタミナを試されるレース展開と、特殊な馬場が勝因だったと思います。団野騎手は嬉しい初重賞制覇。技術が上がってきただけに、これで騎乗依頼がまた集まると思います。それにしても、暫くの間、この特殊な馬場と付き合っていかなければなりません。京都のスタンド工事ですが、どうせ無観客なんだから、開催は続ければ良いのに。変な競馬が続くことになるより、良いのでは?

 ただ、補足を1点無観客になって、そして京都工事の影響で馬場が荒れやすい状況下で、最も成績に変化が出てきているのがオルフェーヴル産駒。これは確かなので、皆さん、黙って狙ってみてはいかが?

 

 最後は京成杯勝ったのは、1番人気のハーツクライ産駒グラティアスレースレベルは、う~ん‥というくらい低いので、このレースの価値がどの程度なのかは言葉がありません。このレースをやるくらいならば、この季節に、中山ダート1800mの3歳重賞レースをやってみたらいかが? JRAの3歳ダート重賞が少なすぎるので、ダート路線の馬たちが困っていますよ。


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