金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【競馬】 京都2歳ステークス(GⅢ) 地味ですが、古馬になってから活躍する馬の宝庫!

2022-11-26 01:36:16 | 競馬

 阪神の京都2歳S。正直に言って、2歳重賞の中でも地味なレースです。来春のクラシックに直結することが少なく、先週の東スポ杯2歳Sとか、朝日杯JF・ホープフルSに挟まれているため、この時点では二線級の評価の馬しか集まりませんただし、ここの1~3着馬を見てみると、古馬になってから中長距離で活躍する馬の宝庫であり、マカオンドールワールドプレミアカデナシュヴァルグランなどの名前が連なります。

 今年の出走馬を見ると、例年に比べれば、かなり良いレベルの馬が集まってきているようです。2歳世代で、突出した存在がまだハッキリしていないことが理由だと思いますが、今年はここからもクラシックの主役が生まれていくかもしれませんね。

 

 人気は、キタサンブラック産駒⑥グランヴィノスに集まると思います。御存知、大魔神 佐々木主浩氏の持ち馬であり、ヴィルシーナ、シュヴァルグラン、ヴィヴロスの半弟。デビュー戦のレベルも高く、勝ち方も素晴らしかった。ただ、他の馬たちを冷静に見てみると、それほど大きな差がある訳でもありません。兄姉を見ても、ヴィルシーナを除いては晩成タイプです。

 

 むしろ狙ってみたいのは、ラブリーデイ産駒⑦グリューネグリーン。デビュー戦は10月9日の府中芝2000mでミッキーカプチーノの3着、2戦目の10月29日の府中芝1800mを1分46秒4の好タイムで勝ち上がりました。この10月9日の新馬戦が今年の「伝説の新馬戦」候補になるくらいレベルの高い新馬戦で、この時の勝ち馬ミッキーカプチーノが次にどこに出てくるのかが話題になっているほど。

 対抗には、前走の紫菊賞でダノントルネードを差し切ったヴィクトワールピサ産駒コスモサガルマータ。とにかく差し脚が半端なく、直線の短い阪神2000mでも2着3着には差し込んでくると思います。

 その他は、前述の⑥グランヴィモスグレーターロンドン産駒ロードプレイヤー、萩Sの1着馬と2着馬のデクラレーションオブウォー産駒トップナイフシルバーステート産駒ナイトキャッスルハーツクライ産駒エゾダイモンロードカナロア産駒シュタールヴィントキズナ産駒ティムールアンクルモー産駒サイブレーカー

 馬券は、本命⑦グリューネグリーン頭固定で対抗⑩コスモサガルマータ2着3着付の三連単16点 ⑦⇒⑩⇔⑥⑭④⑬⑤②⑫③

 

 さてこの中に、菊花賞馬か、天皇賞春を勝つ馬が入っているのか⁉


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【日本の投資が停滞中】 なぜ、ちゃんとリスクを取る人がいなくなったのか?

2022-11-25 06:03:43 | 金融マーケット

 コロナ禍がそろそろ終わりに近づき、脱炭素に向けた大型投資を国家が旗を振っているにもかかわらず、日本の企業も個人も、ちゃんと将来のためのリスクを取った『投資』をしている主体が非常に少ないまま。リスクを取るのが仕事であるはずの金融機関ですら、脱炭素だぁ!と世間を煽っているにもかかわらず、回収可能性が高いデット投資ばかりで、エクイティに自ら投資している銀行はごく少数にすぎません。

 個人金融資産が2000兆円を超えている国なのに、そのほとんどが銀行預金にまわり、そしてその銀行預金経由で、0%金利の国債や、0.5%以下の企業融資や円建外債へ投資されて、ほとんど利益を生まない事態となっています。

 

 今の日本人の若い人も、老いた人も、口を揃えて言う言葉は、

 「だって、先行きが不透明で、分からないじゃないですか?」

 

 でもね。じゃ言うけど、

 「先行きがよく見えていて、将来がよく分かっていた」時代が、過去にありましたか?

 いつでも、先は不透明で分からないからこそ、今を一所懸命生きてきたんじゃないの?

 

 そう言って、日本人がリスクを取らなくなっている間に、北米との間で、どんどん成長率の差が広がってしまい、インフレ差もあって、名目GDPの差は圧倒的。もう、ドル/円レートだって140~150円まで下落してしまいましたよ。これは日銀のせいじゃないのです。我々日本人が、ちゃんとリスクを取って投資をしなくなったせいなのですよ‼

 

 こんな話をしていたら、ワタクシの会社の同期生で、今は家業を継いで、名門倉庫会社の社長をやっているS君。彼が言うには、日本の成長や投資が進まなくなった理由は、

「面白い人、怪しい人、変人、突拍子もない人たちが、集まってワクワクする話を語らう場所が少なくなったから」

 

 確かに、昭和30年代~50年代では、赤坂の料亭に毎夜毎夜、有力な政治家と経済人や資本家が集まって、国家予算を活用した巨大な投資話の企てを繰り広げておりました。今となっては違法な相談行為もあったと思いますが、日本の高度経済成長を支えたエネルギーの一つだったことは間違いありません。

 そして同じ頃、銀座の夜の街では、民間企業同士でも毎夜毎夜、次のイノベーション投資案件、次のイベント案件など、怪しい案件も含めて、新しいチャレンジ企画が渦を巻くように生まれていったものです。

 これらの場所は、まるで『マグマだまり』。さまざまなアイデアと才能とお金が集まると、そこには『マグマだまり』が出来て、いずれ大噴火が起きる。昔の日本には、そんな『マグマだまり』みたいな場所が幾つもあって、それが投資エネルギーの源であったと。

 確かに、そうだったかもしれません。あの酷いバブルを生みだしたのも『マグマだまり』ではありましたが、その前の高度経済成長や、技術立国日本を生み出したのも、あの『マグマだまり』今や、赤坂に料亭などほぼ存在しませんし、銀座の夜にそのようなエネルギーは残っておりません。

 

 その彼に、敢えて今の東京に残っている『マグマだまり』はどこなの?と聞いてみました。

 

 S君いわく『西麻布』とのこと。

 今でも、西麻布の夜には、東京中のいろんな才能が出入りしていて、怪しい話、面白い話をしながら、夢みたいな話から投資を生み出すエネルギーが渦巻いているとのこと。

 

 投資をしなくなった多くの日本人や企業を嘆くよりも、投資に貪欲な人間が集まる聖地『西麻布』へ出かけて、もう一度日本をかき回してみませんか? 皆さん!


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【将棋王将戦 挑戦者に羽生永世七冠!】 年明けから藤井聡太王将と七番勝負スタート‼

2022-11-24 05:03:52 | 将棋

 まずは、昨夜の日本代表。よく勝ちました! そして、次の27日のコスタリカ戦に集中してほしいと思います。 頑張れニッポン‼

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 久々に将棋をテーマにします。

 将棋王将戦の挑戦者決定リーグ最終戦が11月22日(火)に行われ、羽生永世七冠が豊島将之九段を破り、リーグ戦6勝0敗で第1位となって王将戦の挑戦者に決まりました。王将戦七番勝負は年明けからスタート、藤井聡太王将と羽生永世七冠の闘いが見られることになります。この両雄がタイトル戦で闘うのはこれが初めてであります。

 

 

 ここ数年、モチベーションを失ったかのように、不調が続いていた羽生永世七冠ですが、『目標』を藤井聡太五冠と戦うことに定めてからは、藤井聡太に勝つための研究に没頭しているようで、今年度で言えば、順位戦よりも王将戦リーグに注力していたのも、『目標』が明確だったからだったと思います。穿った見方をすれば、棋王戦トーナメントの決勝で負けたのも、敗者復活戦で早く藤井聡太五冠と対局できるから・・だったのでは?と思ってしまうほど。

 さて直近の羽生永世七冠の将棋を見ていると、最新の将棋ソフトでの研究を尽くしていることはもちろんですが、藤井聡太五冠が拘っている「居飛車」戦法、特に「相掛かり」「角換わり」だけでなく、序盤では将棋ソフトの形勢判断点数が低めに出てしまう「振り飛車」戦法についても、積極的に研究を進めていることが判ります。その成果か、序盤で点数が低くても中盤・終盤で逆転するケースが多い対局が目立ちます。

 正直に言えば、今の藤井聡太王将の勢いは別次元ですので、七番勝負の行方は4勝1敗か、場合によっては4勝0敗と、藤井王将の圧勝を予想する向きが多いです。しかしですね、羽生永世七冠が仕掛ける、藤井聡太が見たこともない風景の将棋が展開されることによって、予想を超えるようなタイトル戦になる気がいたします

 この七番勝負をきっかけとして、藤井聡太五冠が「振り飛車」に目覚めることだって有り得ると思っています。

 

 そんな『刺激的な影響力』を藤井聡太五冠に施せるのは、やはりレジェンド羽生善治しかいないと思います。


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【サッカーW杯 カタール大会開幕!】 アジア勢ボロボロ 欧州勢が最初から強すぎる‼

2022-11-23 06:41:16 | サッカーW杯

 サッカーW杯カタール大会が始まりました。

 

 

 開幕戦のカタール 対 エクアドルが、まさかの0ー2の完敗。カタールはアジアカップ優勝国で、密かに優勝候補で6番目に挙げられていたダークホース的存在でした。何しろ、開催国が開幕戦で負けたのは史上初だそうで、30兆円も費用をかけた国の威信を傷つける開幕戦となってしまいました。

 そして、イングランド 対 イラン。こちらも6-2という圧倒的な内容でイランが破れました。もちろん、今大会のイングランドは堂々の優勝候補でありますが、イランもアジア最強国です。これではまるで、20年前の欧州勢 対 アジアの試合みたい。

 

 なぜ、こんな事態になっているのか⁉

 

 これは今回の開催時期が原因だと考えております。いつものW杯は、欧州リーグのシーズンオフである6~7月の真夏に開催されておりました。したがって、欧州リーグに参加している欧州トップの選手たちは、本調子に戻るまでに数試合を費やし、一次リーグは身体を慣らす期間で、決勝トーナメントあたりからキレキレのプレーを見せる傾向にありました。

 ところが、今回は欧州リーグ真っ盛りの11月にW杯が開幕しました。欧州の一流選手のコンディションはすでにピークにあります。もちろん、各国代表にケガ人が多いのも同じ理由ではありますが、欧州各国のレギュラーメンバーは、いきなりトップコンディションで走りまくる状態にあるため、アジアの国々が、いつものW杯のつもりで1回戦に臨むと、ボコボコにやられることになったということなのでしょう。

 オランダ 対 セネガルの試合も2-0でオランダの完勝。ウェールズ 対 アメリカも1-1と、前半に先行されたウェールズが後半にキッチリ取り返してドローに持ち込んでいます。

 ちなみに、欧州勢のW杯1回戦といえば、普通は0-0とか1-1の引き分け、勝ったとしても1-0というのが相場でした。無理をせずに、失点を抑えて、怪我をしないプレーに徹するのがスタイルで、そうやって体調を整えるのが彼らのやり方だったのに。今回はいつもとは違う欧州勢なのです。

 

 このままでは、今夜の日本 対 ドイツ戦はヤバい気がします。

 5-0くらいで、ボコボコにやられてしまうのではないでしょうか?

 

【追】とか言ってたら、昨夜は何と、サウジアラビアがアルゼンチンに1-2で逆転勝利を収めました! メッシも真っ青になっておりました。アジアも本気で闘うとやれる! 日本もやれます‼ 最初から120%で走りまくって勝ってくれ!

 


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【世界の半導体サプライチェーン】 これを見ると、米中関係の本質が見えてくる⁉

2022-11-22 05:43:31 | 金融マーケット

 東北大学の遠藤哲郎教授のお話を聞く機会がありました。遠藤教授は「国際集積エレクトロニクス研究開発センター」のセンター長も兼務されており、云わば、日本における半導体研究・開発の第一人者でいらっしゃいます。

 ちなみに、2018年の統計ですが、世界の半導体市場は約54兆円という規模。メモリーが18兆円ロジックが21兆円、そしてその他(パワー半導体とかイメージセンサーなど)が15兆円。半導体が重要なのは、その市場規模だけでなくて、これがないと、パソコンやスマホはもちろん、車も飛行機も、ミサイルも地対空バズーカも作れなくなります上に、使えなくなるということ。まぁ、人間のすべての生活基盤を支える存在なので、何が無くても『まず半導体』と言われる所以であります。

 

 遠藤教授のお話を、ワタクシなりに、判りやすくアレンジして纏めると以下のとおり。

 歴史を紐解くと、今から30年前には『日米半導体摩擦』なるテーマがございました。半導体メモリーのマーケットで日本製品が世界シェア50%を超えてしまい、これをアメリカの保守派が問題視。日本製品のシェアを、20%以下に抑えるよう圧力をかけてきた事件結局、日本はアメリカの言いなりになって、その後の半導体供給において、日本製品のシェアはどんどん下がっていき、今では半導体全体の7%程度まで下がっております。

 ちなみに、この時の日本は、半導体メモリーを最終的に組み立てる分野を外国に譲ることとして、そのかわり、半導体材料を作る分野と、半導体を作る装置分野については、その優位性を譲らないようにしました。結果、今でも半導体装置・半導体材料の分野ではアメリカと並んで世界トップの技術とシェアを維持しています。ただし、最終的にメモリーを組み立てて製品として供給しているトップ企業は韓国のSAMSUNGであり、またロジック半導体のトップ企業は米国Intelということになります。云わば、名を捨てて実を維持する、という選択をした訳です。

 ところで、数年前に、故安倍首相時代に、日本から韓国へ、半導体材料と半導体装置の輸出を止めた事件がありました。当時の報道では、慰安婦問題への報復などと伝えられていましたが、実際は、さにあらず。あの頃、文政権時代の韓国が日本から輸入した半導体材料と半導体装置を、自国生産に使うだけでなく、そのまま中国に横流ししていた疑惑があって、そのために取った措置、というのが真相のようです。このように、半導体メモリーの組立て自体は、韓国や中国でも出来ますが、その材料や生産装置は作れないので、日本やアメリカを頼らないといけないという図式があります。

 

 ところが、そんな図式に大きな変化が起こります。ロジック半導体分野で、これまで1強体制を維持してきた米国Intel社が、投資計画の失敗により、次世代のロジック半導体の中心となる10nm以下の分野で、世界シェアの90%以上を台湾のTSMC社に握られてしまったのです。ちなみに、この分野のロジック半導体が手に入らないと、アメリカはステルス戦闘機F35の生産が止まってしまうことになります。

 同じく、ステルス戦闘機の開発を進めている中国にとっても事情は同じ。台湾のTSMC社に半導体生産を委託しないとステルス戦闘機が作れない。習近平総書記が『台湾統一』を核心的利益として第一に掲げる理由もここにあるとのこと。そして、アメリカのバイデン大統領が『台湾の独立維持』を絶対的使命として掲げる理由も同じ。

 

 米中間の激しい罵り合いの裏に、こんな半導体供給の事情があったとは・・。まぁ、判りやすいと言えば、判りやすいですけどね。また、ミサイルの打ち合いとかしてしまって、半導体工場を破壊してしまったら元も子もないですから、具体的に激しい空爆戦や陸戦などは、あまり現実味がないことも判りました。これは安心材料であります。

 

 ところで、遠藤教授のお話で一番大事だったのは、この半導体の電力使用量は、今後の技術革新によって、1/100とか、1/1000にすることが可能であり、このことが半導体以外の全てのエネルギー消費にも大きな影響を与えるので、カーボンニュートラルと言えば、一丁目一番地は、この半導体技術開発にあり、とのこと。

 そして、その開発の最前線は日本の技術がリードしているそうなので、ここの分野への投資をケチっては損だそうです。

 

 大変、勉強になるお話でありました。


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