《詐欺集団が詐欺師をたぶらかした》というお話。
★鑑定士と顔のない依頼人
原題:La migliore offerta
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:ジェフリー・ラッシュ、ジム・スタージェス、シルビア・ホークス、他
2013/イタリア
丁寧な作品作りは眼の保養となり、
含蓄ある台詞まわしは心に滋養を与え。
イタリアの凄さをたっぷり堪能させていただきました。
「偽物の中にも真実が隠されている」
終局場面で何度もこういう意味合いの台詞が出てくる。
《ははん〜。詐欺だな》と途中から思えてくるが、
結末の姿が見えてはこなかった。
詐欺集団の狙いは何なのか?
何が偽物で何が真実なのか?
主人公は初老の敏腕鑑定士ヴァ―ジル・オールドマン。
彼は有能なオークショニアでもある。
自分が欲しい女の肖像画は裏工作して手に入れる詐欺師の一面も持つが、
人々から喝采をうける、
尊敬をうける紳士である。
プライド高く有能ではあるが、
こと社会性となると疑問符がつくし、
まして女に関しては全くの初。
その彼の弱点をつき、
《老いらくの恋》をしたてての詐欺話。
映画ほど悠雅ではないとしても、
現実にもありそうな事件である。
脚本はほぼ完璧。
イタリアならではのロマン話。