★始皇帝と彩色兵馬俑展 〜司馬遷『史記』の世界」
京都文化博物館
「20世紀最大の発見」といわれる兵馬俑は、
1974年に農夫が井戸掘りの作業中、偶然見つけました。
当時、私は学生であり、「信じられない!」と思った記憶があります。
その後も新たな発見の度に、新聞やテレビで大々的に報道されてきました。
中国は凄い国やと思うと共に、「史記」の世界がとても身近に感じました。
「司馬遷」にあこがれ、名をいただいたという「司馬遼太郎」さんの本を読みあさった時期があります。
今回の展覧会は、
『史記』を切り口にして、
世界初公開となる始皇帝の彩色兵馬俑(跪射俑〈きしゃよう〉)などの考古学遺物の展示です。
やはり、圧巻は始皇帝兵馬俑の作品群の紹介でしょう。
彩色兵馬俑はもちろんですが、特に、「水鳥」の作品に興味を持ちました。
生き生きとした姿、表情にこの時代の技士の技量の凄さ、芸術性?に驚きます。
巨大な地下帝国の建設にあたっては、どれだけの人力が酷使されたのでしょうか。
悲しいくらいぞっとすることです。
「司馬遷」はそういう視点も持っていた人だと思います。
この展覧会もその切り口でもう少しつっこみながら構成すれば、
時代のリアリティを表現できたのではと感じました。