親父譲りの宿痾の肌荒れ、特に足の裏がひどい。皮膚科の友人に相談すれば「先生ひどいね」。でお仕舞い。女房からは汚いと迫害を受け、夏は末席でテレビを見る辛さ侘びしさ。
あれこれ試して、辿り着いたクリームは懐かしのメンソレータム。ちょっと商標の女の子が若く丸顔に変わったし、軟膏も心持ち柔らかくなった感じがするが、懐かしい香りは変わらない。発売元が近江兄弟社ではなく、ロート製薬に変わっている。この間の事情には詳しくないが、数多の小じゃれたハンドクリームとの競争に負けたのだろう。
近頃の若い人には、この臭いがあまり好まれないのだろうか。私には必需品となったメンソレータム。製造中止にならないように、沢山買い込んで彼方此方に置いている。診察室の机を開けるとボールペン、封筒、眼鏡拭き、チョコレートなどに混じって看護婦姿の女の子が微笑んでいる。
モイスチュアなどとカタカナの洒落た宣伝文句と高級風容器の製品よりも、効果抜群のメンソレータムをお勧めする。べたつくですと、そんなものは五六分もすれば乾きます。