一昔前、強壮滋養飲料の宣伝で、大丈ブイとシュワルツネッガーが作り笑いをしているのがあった。彼はこのたび放縦の隠蔽が露見して妻から離婚を申し立てられている。大丈ブイではなかったわけだが、性懲りもない自己中なので、へこたれることはないだろう。
七十台の引退した企業戦士や中古の評論家に多いのだが、甚大な被害を受けた東日本大震災からの復興は大丈夫、日本は必ず早期に元に戻りますよとニッコリ断言される方達が居られる。私もなんとか復興できるとは思っているが、さほどの確信は持てない。
日本人は単純な一つの目標に突き進む時には、きめ細かい連携と支え合いで一途に邁進する能力に優れているが、今回の復興は単純に元に戻すあるいは直進するのとは違う要素を含んでいると思う。それに政治家とジャーナリストの劣化、取りも直さず国民の疲弊がある。
前向きであること肯定的であることは是であるというような単純な根拠で、内実を端折った楽観論に組みすることはできない。
今、必要なことは十分な情報を収集公開し、対策を考えに考えることだと思う。殊に、原発に関しては少なくとも五、六ヶ月を掛けて長期計画を立案し、しかも歩きながら考えてゆかなければならない。
どうして突然、昨日の原発必要当然派が脱原発派に変身できるのだろうか。宿題を済ませないうちに同じ問いが発せられたような気がする。
指す前に打つ前によーく考えるのが本当に強い棋士なのだ。たとえ、同じ手であってもよく考えてあるのと思い付いたのでは、その後が違う。