駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

希林さん、呼んだのかね

2019年03月19日 | 人生

       

 

 内田裕也さんが亡くなった。あれついこないだ樹木希林さんが亡くなったばっかりで、元気そうだったのにと驚いた。享年七十九歳、今の時代ではちょっと若いが、十分生きられたのではとも想像する。希林さんが呼んだなと思った人は多いだろう。

 高齢のご夫婦がまるで連れ添ったように亡くなるのは、それほど珍しいことではない。奥さんが亡くなって一か月ほどでご主人が亡くなった夫婦を二例、ご主人が亡くなって二週間で奥さんが亡くなった夫婦を一例経験している。残された方が抜け殻のようになって、あれあれという間に亡くなってしまった。三例とも九十歳前後で年齢の近いご夫婦だった。

 よく言われることだが残されて元気が出ると言うと語弊があるかもしれないが、独りになった人生を謳歌されるのは女性の方に多い。お父さんまだ呼ばないでねと友達とあちこち旅行をされたりしている。男の方は残されてそこそこ生活できても、どことなく寂し気というか元気がもう一つの人が多い。

 これもよく言われることだが、好きな趣味があったり、友達が多かったり、家事ができる男性の方が独りになった時、強いというか逞しく生きられると観測している。しかしまあ、だから趣味を持とう、友達を作ろう、家事をしようとしても簡単ではないし、付け焼刃では効果も少なそうだ。親爺がよく平生往生とよく言っていた。聞き流していたが、年を取ると本当にそうだなと思う。

コメント (2)
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