駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

分かっていても出来ない時もある

2019年03月27日 | 診療

             

 

 時々紹介した総合病院から薬の使い方についてご指導を頂く、まるで当方が理解していないような書き方にはなんとも嫌な感じがして飯が不味くなる。

 例えば最新の睡眠薬の使い方を知らないわけではないのだが、個人の医者は時に患者の訴えに負けてしまう立場あることを分かって貰えない。デパスやハルシオンの使用量はこの十数年で十分の一に減らしたのだが、まだゼロには出来ていない。どうしても欲しいという患者には駄目と云えばいいじゃないかと総合病院の医師は言われるだろう。総合病院では患者はまず反論せず、分かっても分からなくてもハイと言って帰ってくることが多いのだが、個人の医院では甘えるというのかごねるというのか中々引き下がらない方も居て、根負けしてしまうことがある。甘えの構造というか、ものが言いやすい関係性が出来ているので絶対駄目とは言いにくいことがあるのだ。実際問題として、依存性が出来て好ましくなくても直ぐ大問題が起きるわけではないので、じゃあ一寸だけとなってしまう。まあそれが、人類のある一面の歴史でもあると思うのだが、開業医は不勉強でなどとご指導戴くとやれやれと不愉快になることもある。まあそれでも、高額な検査機器や深い専門的な知識はなく、難病重病は総合病院頼りになるので要らぬ反論はせず、御高診有り難うございましたとお礼を書いている。

 ブログにこうした愚痴のようなことを書くのは情けない気もするが、花を買った啄木の気持ちも分かる。

コメント
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