「父が娘に語る経済の話」海外で評判の本らしい、ミーハーなので買いに行ったというか実はamazonに注文して手に入れた。私の経験則では世界で評判の良い本に外れは少ない。そのとおりで今まで何冊も読んできた非専門家向けの経済参考書解説書の中では一番納得できるところの多い本だった。若者向けと行っても根源的な問いから始まっており、分かり易くするためにレベルを落とした本ではないと思う。
学問として経済を研究する人は素朴な質問は答えにくく論文にもならないので相手にしないというか真正面から取り組まない。しかし著者のヤニス・バルファキス先生は、娘(十五歳)に語るつもりで根源的で素朴な質問、格差がなぜ生じたか、どうやって貨幣が生まれたか、なぜ市場が出来てきたか、銀行や国家は何をやっているのか・・などに、成る程そういうわけかと経済の成り立ちと仕組みから分かり易く教えてくれる。銀行がどうやってお金を調達してくるのか嘘のようで本当らしい話も出てくる。
これは偏見なのだが、ギリシャ人という学問の正統の血筋でない?から書けた本という気もするが、経済の根本が分かった気がして、専門的な言葉遣いをする経済通の政治家の話やああでもないこうでもないの経済評論家の話が少しは分かるようになるというか煙に巻かれないようになる本だ。
ええそうなのという部分もあるがやはりそうかという所も多い、目から鱗の経済の話が書いてある本で、この内容が日本人の常識になれば良いと思った。読みやすく1620円とさほど高くない。世の中の仕組みの理解が進と思えばお値打ちな本だ。