
本当は長い時間昼寝をしない方がよいのだが、昼食後一時間ばかり昼寝をしてしまう。午前中三時間半働いた疲れが出るらしい。ソファでテレビを見ているうちに寝てしまうのだ。年を取ったと思う。
夜眠れるのでまあいいかと自分に甘くしているが、睡眠の専門家によると昼寝は十五分くらいにした方がよいそうだ。特に夜眠れなくなる人には三十分以上の昼寝はよろしくない。眠れないという患者さんは結構多く重症でなければ、専門医に送らず対応している。あまり早く床につかないこと(午後八に床に入り寝ようとする高齢者が居られる)、食事や入浴から少し時間をおくこと、寝室を暗く静かにすることなどを指導し、それでだめなら頓用で習慣性依存性の少ない睡眠剤から始めている。
以前に比べると睡眠剤を希望する患者さんは少し減ってきたと思う。世の中が平穏になった訳ではないのに減ったのは、睡眠薬は呆けるとか依存性があるとかいう風評(時と場合により事実)の影響と我々医師が簡単には処方しなくなったためだろう。
睡眠導入剤の代わりに安定剤を使うことで眠れるようになる患者さんも多い。安定剤を上手に使う、医師により様々な見解があると思うが、ことは内科系開業医の一つの技術と思う。病は気からは医師から見ても真実の部分がある。話を聞いて少し言葉をかけるだけで楽になる患者さんは多い。ヒルティの足元にも遠く及ばないが、背景に不安があるのは確かと思う。