この未曾有の危機新型コロナに遭遇して、日本の政府がやって来たことになんとも言えない不透明さを感じている。濁り淀み、聡明さが失われている。勿論、筋道の通ったことを主張する政治家やマスコミ人は減ったようでも健在なのだが、今だけ金だけ自分だけの濁りに圧倒されていると感じる。この十年ばかり自分の不正は誤魔化し、俺は悪くないと立ち回る政治家が力を持つ傾向があるようだが、本来評価は他人が下すものだ。
この数年、それこそ何十年ぶりかで少しづつ本を読むようになった。吉村昭、梯久美子、黒木亮のエッセイを親しく読んでいる(梯さんの小説はちょっと重そうでまだ読めていない)。どうしてこの三人に惹かれるのか、筋が通って今だけ金だけ自分だけから遠いお三方のせいかもしれない。
牽強付会かもしれないが一つ面白いことに気付いた。この三人は北海道に縁が深い。吉村さんは東京の人だが長崎に次いで北海道を足繁く訪れておられる。北海道は函館周辺を除いて明治以降入植者によって築かれた土地で透明感があるのかもしれない。異論に寛容な気もする。野田知佑さん川本三郎さんも北海道がお好きなようだ。
自分はまだ二度、全部で五日間ほどしか訪れたことはないが、新型コロナが収まったら旅してみたい候補地の一つだ。