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グリードをなんと訳せばよいのだろう。欲望よりも強いニュアンスがある。辞書には強欲などと書いてある。普段は口にされない人を突き動かす情動グリードは一般の人がその実態を知らないウォール街を動かす密かな原動力らしい。車がガソリンで動くようにグリードで金融証券界は動いている?。
と見てきたようなことを書いたが、これは黒木亮の小説から受けた印象だ。黒木は実際に金融証券商社で働いた経験を持つ荒唐無稽というよりは実録を脚色して小説を書く人で医療業界しか知らない私は目を開かされた。金儲けと言えば露骨過ぎるが金融証券界には競争に勝ち抜くことに快感を覚える人間が数多く生息して生き馬の目を抜く凌ぎを削っている。勿論、これは極端と言うか単純化しすぎている面があるがグリードが、底深く牽引している世界があるのは紛れもない事実だ。
普通の人はそこまで強いグリードを持ち合わせておらず、想像も及ばない世界の気もするが、グリードをたぎらせ莫大な資金を動かす金融の影響から自由に生きることは難しく、そうした世界が存在することを頭に置いておいた方が良いと感じた。