岸田首相が5本柱の経済対策を発表した。1)物価高から国民生活を守る、2)持続的賃上げ、所得向上と地方の成長、3)成長力につながる国内投資促進、4)人口減少を乗り越え、変化を力にする社会変革、5)国土強靭化など国民の安心・安全──の5本柱だ。なるほどと言うしかない。野党といえどもこれに反対するのは難しい。世界平和と人類の幸福を追求に異を唱えるのが難しいのと同じ図式だ。
しかし絵に描いた餅を食べて腹を満たし栄養を付けることができないのと同じで、お題目に目を眩まされてはならない。この5本柱の具体的な成果を2年で出すことは今までの2年を振り返れば不可能なのが目に見えている。怖いのは、岸田首相は何故か低評価になっても嫌われにくく強い反発を招かない人物なので、こうしたお題目の下で成果を出せないのに努力していると実質賃金低下人口減少街道を進んでしまうことだ。人材払底の日本政界ではあるが、何も言っていないのと同じ文言を反発を招かないように唱える凡庸の天才に変わる人物が皆無というわけではないと申し上げたい。