半年ほど前から少し贅沢をするようになった。この頃はほぼ毎週末、家内と二人で外食に出かける。旨いものを美味しく食べられるうちに食べておこうという年寄りの理屈が財布のひもを緩めさせる。
元々B級グルメで、千五百円以上のものは旨くて当たり前、それ以下で旨いのが本物という考えで食べ歩いてきた。それでも家内と二人で出かける時はこのお値段なら美味しくて当然の店も利用してきた。そういう店はしつらえがよく扱いも丁寧で食事が一つの行事のように感じられ非日常が味わえる。贅沢でそんな身分でないと思いつつ、いつまで元気か分からんからなと通う頻度が増えた。上級コースはまだ早いといつも一番お手頃なコースを戴いている。馴染みの店もいくつかできて、居心地も良くなってきた。
若い親方が考えに考えた秋茄子にボロネーゼ、中々美味しかった。