今日で今年の診療はお終い。今までの経験からゆくと、最終日はさほど混まない。嫌も応もなく、自分も世の中も少しづつ変わってゆく。六十を過ぎた時は心に変化(視点)が起き、七十を過ぎると身体に変化(衰え)が起きた。還暦や古希という年回りのせいもあるだろうが、振り返るとそう感じられる。
個人差は大きいが八十三、四までは、元気な人は殆ど六十代と変わらず活動できるようだ。さすがに九十ではお元気ではあっても、六十代と同じように動ける人は居られない。勿論、五十年前と同じような年の取り方をされる方も居られ、六十代後半からお爺さんお婆さんの感じになられる方も居られる。
元気だから好奇心や活動性が保たれるのか、好奇心旺盛で活動的だから高齢者になっても元気なのか微妙だが、高齢者になっても六十代の能力を保てれば僥倖、運が良いことを祈りたい。七十を過ぎて将来計画などと言うと鬼が大笑いする、それにそれほどの将来があるわけでなし、毎日毎日を毎月毎月を大切にという平凡で現実的な年の終わりの反省と希望になる。
高齢者になって思うことは、自分がそんなに年寄りとは思えないということだ。確かに体力の衰え記憶力の衰えはあるが、まだ世の中のことを世界のことをほんの僅かしか知らない経験していない。神様に、これでやがて卒業というのはおかしいと申し上げたい心境だ。好奇心だけは残っているようで、明日は本屋に行って本をしこたま買い込んでやろうと、とぼけたことを今朝は考えている。
先生お風邪など召しませんように、読書三昧のいいお正月をお迎えください。
半世紀以上、’とぼけたこと’をやってきた私は、病膏肓、相変らず本の山と戦う年末です。
良いお年ををお迎えください。
好奇心だけでこの頃は積読くになってしまいます。