駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

暇な老人でない

2021年11月23日 | 診療
             

 当医院は八時に入り口を開け八時半から診察をしている。但し、七時半から入り口に番号札を出して十番までの順番がとれるようにしてある。インターネットでも十一番から順番が取れるようになっている。これは現院長の編み出した方式で、私の時は八時に入り口を開け診察券を順番に入れて貰う方式だった。
 当然予想されるように七時半に来て早い番号を取っていったん家に帰り八時半に再登場する患者さん(殆どが高齢者)が居られる。
 先日インターネットで三番を取ったのに待たされたアラカンのK氏何か急ぎの用があったらしく、三十分ほど待たされて九時の診察になってしまいプリプリしていた。どうもインターネットの三番は十三番という説明が不十分だったようで「お待たせして申し訳ありません」と詫びを入れたのだが、「暇な老人じゃあないんで」と大人げないことを口走っておられた。確かにそうかもしれないが、あと十五、六年すればあんたもそうなるのではと思った。
 順番というのは微妙で心電図や胸部写真で時に前後することがあり、時々私が先と言い出す患者さんがおられる。看護師も忙しかったりで言葉が足りず、申し訳ありませんと後から説明することがある。 
 勿論、混んでいるときばかりではなく、来て直ぐ呼ばれてもうなのと待合で一息つきたかったとおっしゃる患者さんやおばさんネットワークで空いていると聞いたので来たのよという患者さんも居られる。

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