
宇宙船みたいなマツバウンランの花。
比較的新参の外来種ですが、年ごとに増え、最近では土手や田んぼのあぜを紫色に染めるほど群生するようになってきました。
マツバウンランという名前は、葉が「松葉」のように細くて、花が海蘭(ウンラン)に似ているからだとか。

でも、海蘭(ウンラン)ってどんな花でしたっけ?
海蘭はマツバウンランと同じゴマノハグサ科ウンラン属の花なので花の形はマツバウンランに似ています(ただし、花期は夏から秋)。

もうひとつ、春の花壇にマツバウンランとよく似た花がいっぱい咲きます。そうです、先日取り上げたリナリアです。リナリアの和名はムラサキウンランです。

名前を整理してみましょう
海蘭(ウンラン)の学名は 実は Linaria japonica なのです。「日本(原産)のリナリア」という意味です。
そして園芸でリナリアと呼ばれている花の学名は Linaria purpurea です。学名を和名にすれば まさしく「ムラサキ - ウンラン」となることをご確認ください。

それで、このマツバウンランの学名は Linaria canadensis です。こちらは カナダのリナリアという意味です。

ただし、Wikipedia にあるように、マツバウンランの学名は Nuttallanthus canadensis が正式なようです。
「ゴマノハグサ科 Scrophulariaceae からオオバコ科 Plantaginaceae に再編され、属名はウンラン属 Linaria から分離されたマツバウンラン属 Nuttallanthusに改められている。」(三河の植物観察「マツバウンラン」)

リナリア属の花はみな花冠の後部から細長い角が突き出しています。これを距(きょ)と言います。
距の中には蜜が出ていて、訪花昆虫が距の中の蜜を漁ろうとすると花粉が昆虫の体につく仕掛けになっています。

マツバウンランには 距の長いタイプと短いタイプがあるということです。
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