
オオニシキソウの小さなヒメリンゴみたいな実がだいぶ色づいてきました。
ニシキソウの仲間はみな、杯状花序という独特の花序を構成します。
いま果実以外に 赤くなっている上部が太い筒がありますが、これを 杯(または カップ)といって、この杯(カップ)から 雌花、腺体とその付属体、雄花など花序の要素が産出されるので、杯状花序(カップ状花序)と呼ばれてます。

オオニシキソウは他のニシキソウの仲間と違って 地を這ったりせず立ち上がるし、それに 他のニシキソウの仲間に比べればその実は大きいので、見つけやすいです。

杯の中から最初に生まれるのは 雌花です。といっても画像にあるように花弁は無く (子房と柱頭だけの)めしべが産まれてきます。めしべは生まれるとすぐ子房が巨大に成長するので、杯(カップ)の外に花柄を折り曲げてぶら下がります。一番上に 柱頭だけ頭を出した雌花が写っています。

杯(カップ)の口についている白い花弁のようなものはその基部にある腺体(蜜を出す器官)の付属体です。おそらく虫に「ここに蜜があるよ」と知らせる役目をしていると思われます。

気になるのが 上の奥のほうに見えるかじった後のリンゴの軸のような棒です。これは 受粉しなかった雌しべの残骸で、受粉に成功しためしべが 画像手前のように 果柄をUの字に曲げて 杯(カップ)の横にぶら下がるのに対し、受粉できなかった雌しべはそれ以上栄養が届かず 朽ちて子房本体は落ちてしまったあとと思われます。軽いので 軸は曲がることなく ずっと上を向いたままです。
2つある 受粉しなかった雌花の手前のほうの杯(カップ)からは 雄花(おしべ)が伸びだしています。
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