ウイルス対策も防犯措置ですから、厳重さを求めればキリがありません。
Windows8には、ディフェンダーというウイルス対策ソフトが組み入れられました。
Windows7ではスパイウエア対策機能だけだったディフェンダーが、Windows8からはそれにウイルス対策が加わったとされています。
⇒ http://jump.cx/def
オプションばやりの販売様式に慣れ親しんでしまうと、人々は標準装備は不完全という妄信にとりつかれます。
標準装備を、正規のものと見ずに、タダでついてきたもの、タダのものにろくなものはないと思ってしまうのです。
錠前のセールスマンは、既存の錠前の不完全さを責め立てます。
OSの標準装備にウイルス対策のなかった時代に、ウイルス対策ソフトを作って成功したメーカーは、標準装備、あるいはOSメーカーのウイルス対策の不完全さを責め立てます。
しかし、完全無欠な錠前が存在するはずのないのと同様に、完全無欠なウイルス対策などありえません。
どんな対策がたてられていようと、それをかいくぐって侵入するのが、泥棒であり、ウイルスなのですから。
玄関扉の錠を二重三重に取り付けて、窓は網戸の虫よけだけという、お笑いの舞台のような涼しい仕掛けをしたおうちも、どこかにあるかもしれません。
ウイルス対策も、OS標準装備のほかにもうひとつソフトを入れておけば、より完全に近くなると思いたくなるのが人情です。
人情につけこむのがセールスマン技法の基礎であることを、心優しい人々はすぐに忘れます。
錠前をいくつも取り付ければ、出入りが不自由になりますが、ウイルス対策ソフトの重ね置きは、別々のところについている錠前を順位外していくことより、もっと無駄なことをしなければなりません。
一度で済むウイルスチェックを、また繰り返し行わなければならないのです。
液体をろ過するとき、フィルターを重ねれば不純物の捕獲度は上がります。
そのかわり、目づまりの度合いも重ねた枚数に応じて増え、漉し終えるまでじっと待たなければなりません。
こんなことを考えていて、とんでもない盲点に気づきました。
追加装備したウイルス対策ソフトが、標準装備のウイルス対策ソフトより、フィルターの目の粗いものであったら、何をしているのかわからないではありませんか。