紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

妖怪大戦争

2006-08-11 23:50:30 | テレビ
 今夜はテレビで映画「妖怪大戦争」があった。昨年Kちゃんと映画館で観たのだが、もう一度観たい場面なんかもあって、途中から二人でテレビの前に座り込んだ。

 私は何といっても、ナインティナインの岡村隆史演じる「あずきあらい」が、どうしてももう一度みたかった! ある意味、彼がこの映画のヒーローだと私は確信している。

 ティム・バートン監督の「マーズアタック!」で、始終ハワイアンを聴いている認知症のおばあちゃんとその孫が、誰にも成し遂げれなかった「火星人の弱点」を見つけて撃退する、あの感じと似てるよね?と 二人でCMの間話したりしていた。

 仲間の妖怪を助けるために日本の妖怪達を集め助っ人を頼むも、戦う相手が「加藤保憲」と知り、びびってしまう妖怪達。「じゃ、おひらき、ってことで」とそそくさと逃げて行く妖怪たちに、必死で追いすがる河童の川太郎が「なんでや!?」と問いただすと傘オバケが「だってオレ、傘だし」と立ち去る。ヌリカベも「オレ、カベだし」。

 川太郎は、力づくで「一反木綿」を柱にしばりつけて、無理矢理仲間にひきこむ。「おまえ、鬼太郎の前ではええ顔しよってからに!」

 そしてもうひとり、座敷の隅に残っていた「あずきあらい」に、「おおきに!おおきに! わかってる! お前にできるのは小豆洗うことだけやけど、その気持が嬉しいんや!」と感涙にむせぶ川太郎。「あずきあらい」が残っていたのは、単に足がしびれてなかなか歩けなかったからなんだけど・・・。

 この妖怪が集まり、三々五々と散ってゆく場面、ほんま好きやわ~。忌野清志郎の「ぬらりひょん」も近藤正臣の「猩猩」も阿部サダヲの「河童」もマッチしてる。ちょい役に至るまで豪華なメンバーが。「砂かけばばあ」に根岸季衣さんを起用というのは、なんだか唸った。なるほど~。しかもやたら楽しそうやん、根岸さん。

 だけどこの話、バックに「教養」がないと半分くらいしか面白くないのかも。「帝都物語」や「平将門」や「魔界転生」(同じ角川映画というくくりで)、それに水木しげるワールドがバックにちらちらしているのに、知識不足でかなり悔しい思いをした(している)。
 ネット検索してサイトを見たら、脚本プロデュース:荒俣宏 妖怪キャスティング:京極夏彦。

 ・・・おおお、行間広すぎるはずやん、荒俣さんが脚本プロデュースやったら。膨大すぎるデティール省略してはるんやもん。京極さんが妖怪キャスティングかー。なるほど納得!

 しかしテレビでの放映につきものとはいえ、大幅カットは残念だったなあ。Kちゃんも「私、2回目に『あずきあらい』が小豆をこぼした時に拾い直すとこ、観たかったのになあ」。私も水木大翁がでてくるとこ、もっとしっかり観たかった。ラストの「加藤」も。

 水木さんの名言「戦争はいかん。腹が減るだけだ」をヒントにして本を書いたのが斎藤美奈子さん。(うそです)

 彼女の「戦下のレシピー太平洋戦争下の食を知る」 岩波アクティブ新書)
では「戦争中は(空襲のため)睡眠不足で(軍需工場など)重労働で(食料不足で)空腹だった」と結論されている。うう、これって私には堪え難い日々ではないかしら? あっというまに生きる希望を無くし、絶望にさいなまれてしまいそう。
 もっともこのレシピは、夏休みの自由研究の参考にはなりそうかも。不味そうだけどね。戦時中の食べ物をつくってはみても、試食が一番難しかったりして。