紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

中継・入学式

2007-04-06 16:35:07 | ファミリー
 大学の入学式に行くかどうか、かなり迷った。場所はおなじみの大阪なので、遠くはない。

 しかし私が大学に入学する頃には、親は当然ついて来なかった。大学生に親がついていくのは、かなりかっこ悪い、と私の世代は思っているはず、だと思っていた。が、それはどうも大きな誤解だったみたいで、一般的にはいつの間にか「当然見に行くもの」になってるらしい。

 そういえば私が高校を卒業するとき、まだ女子は(成績の善し悪し以前に)短大を選択する子が多かった。時代はどんどん変わっているのだ。

 自分の今までの思い込みと、世間の現在の常識との板挟みで迷ったあげく、お兄ちゃん本人に正直に打ち明けると「ぼくは、ぜーったい、来ていらんし。ほやけどな、入学式、インターネット中継するんやで」。

 えええーっ!? 中継でっか?? 
「え?知らんかったの?」
うん。恥ずかしながら。
 とにかくもウィンドウズ・メディア・プレイヤーがあれば、ダウンロードできるらしい。おお、それは素晴らしい。だったら、出歩くのが無理なおばあちゃんも見られるじゃないの! これでいこ。そうかー、ネット中継かー。時代は現在進行形で変化している。

 そもそも式典というものは、すべからく苦手だけど、ネットでならときどき席を立って洗濯物を干しにいったり、ちょこちょこ片づけものをしたりできる。出かける場合には、万を越すかもしれない人々で混み合うキャンパスのことを考えると、ずいぶん気が重くなっていたのだ。キャンパスを覗くのは、もっと普段の空いている時に。

 しかし入学式=式典、という私の常識もまた覆されてしまった。厳かに執り行われる、というよりも「如何に魅せるか?」という大学アピールの絶好の機会にシフトしていた。驚くべき豪華絢爛な「祭典」に変化していたのであった。
 ステージに巨大な3スクリーン、会館(というかホール)の室内で花火が柱となり、本職のDJ(大学卒業生)が司会を行い、国政に携わる方が来賓の挨拶をする。

 そして「君が代」である。お兄ちゃんはキリスト教のミッションスクール育ちなので今までスルーしてきたのだが、ここにきて初めて浮上した。
 ところが心配ご無用、多様な価値観を持った大人数に対応して、大学側は思わぬ手を打ってきた。「君が代、斉唱」でなく「君が代、独唱」だったのだ。それも大阪出身のゴスペルシンガーをわざわざお招きになり、彼女が「君が代」を独唱したのだ。ゴスペル調なので、それは聞きごたえがあり、お兄ちゃんも帰宅して「今日の一番の感動は『君が代』やったなー」と言うくらい。しかも早くも愛校心を芽生えさせていた。したたか、大阪人。

 1時間ばかりの式典(というか祭典)だったが、おばあちゃん(夫の母)もしっかり入学式を見られ、大満足。私も思わぬおばあちゃん孝行ができ、かなりうれしい入学式になった。