紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

乱歩ファンに脱帽

2007-05-28 19:49:09 | 読書
 先日谷崎潤一郎のことを調べていて、彼が探偵小説を書いていたこと、あの江戸川乱歩にも影響を与えていたことを知った。

 今日はもう少し「谷崎が乱歩に与えた影響」に付いて知りたい!と思い、ネットであちこち訪問してみた。そして私は思い知った。江戸川乱歩のファンは、やたらマニアックだということを。ついで、市井のマニアの素晴らしさをも思い知ったのだった。皆さん、スゴい、スゴ過ぎます!

 その話は、ここではひとまず置くとして、以前集英社の文庫で、谷崎の犯罪をテーマにした短編集『犯罪小説集』が出ていた。残念ながら現在は入手不可だが、古本として出回ってはいるようだ。谷崎の「探偵小説」は乱歩が絶讃し、少なからず彼の初期作品に影響を与えたそうである。著者名を伏せてそれらの短編を読んだら、乱歩の作品と思われても不思議はないほどだということだ。

 そういえば『陰影礼讃』でも、熱っぽく和の陰影に富む美意識の素晴らしさを語るうち、情熱が爆発するかのように、いきなり「諸君」と読者に語りかけるあの感じは、乱歩の少年探偵団シリーズのドキドキするような語りかけに直結しているような気もする。少年愛や人形愛に近いものも、ふたりして共通しているかもしれない。

 ところで「二十面相の隠れ家」というサイトがあまりに面白かったので、というか私好みだったので、ここで随分時間を費やしてしまった。

 例えば、二十面相は最初の頃は、華麗な盗みで集めたお宝で、自分のアジトに7つの美術室を作った(「青銅の魔人」より)ものの、「後に一つに統合された模様です」と管理人さまがお書きになっている。それは「集めるたびに明智さんに(お宝を)持っていかれ、7つも部屋が必要でなくなったのでしょうか」と考察されているのもツボにはまったのだが、ほんと実によく調べられている。

 また名張市図書館員さんの私設「名張人外境」も情報が網羅してあり、乱歩ファンには欠かせない、常時必見の手帖のようなサイトである。
 
 おそるべしミステリーファン、ことに乱歩ファンはあなどるべからず!