戦場を駆ける妻

　家にいるとだらだら時間が過ぎてしまう事がある。めりはりがないのだ。アバウトには、午前中は洗濯関係、お昼前後はお買い物と聡怐i除草含む）その他の外出用事関係、４時以降は晩ご飯関係を含むさまざまなことが押し寄せ、夜は家事のラッシュとなる。

　とくに晩ご飯後は、食事の片づけと翌朝の準備、こどもたちのあれこれの書類を見たり、処理したり、たまには勉強を教えたり教えられたり、口論したり！？する。

　翌朝の準備、というのが３月までは特に大事だった。（もちろん、いまでも重要事項である）翌日仕事、という日には前の夜のスタンバイの有り様で、当日朝の雌雄を決した。

　「一番水」を入れるやかんは、水道の横に置いておく。神仏関係の食器（ご飯から洗い米まで用意するので品数多し）は、段取り良く並んでいるか？　水の入れ物は一列に、お茶も急須とお茶っ葉が速攻で用意出来るようコンロ横に、洗い米は前の日に炊飯器より取り分け、小さなザルにいれて水切りしておく、などなど。神仏関係の準備だけでこうである。

　あと、お弁当の段取り、珈琲を入れる段取り、お味噌汁をつくる段取り、おかずを作る段取りと、段取り尽くし。なぜか。
　手早く臨機応変に気を利かせなければ後手後手に回り、一日のスタートとしては最悪の気分になってしまう朝の家事。まさに戦場である。そんな「いくさば」は、私の大変苦手とするところなのだ。
　その苦肉の策として「前夜の段取り大作戦」を決行した。またの名「お料理番組プロジェクト」。

　お料理番組では、例えば切る、炒める、冷ます、など、時間のかかるプロセスを一気に省略し、「はい、ではここにみじん切りして炒めて冷ましたタマネギを用意してあります」と、即座に次のプロセスに移れるよう、準備万端なのだ。これで「あっというまにできあがり！」といわれても、こちとら買い物からスタートする身にとっては「ズルい！」と思ってしまうのである。かなりムッとするのである。

　が、これを使わない手はないのだ。「明日の朝のことで今日やれる事、全部やります！」というBSのCMみたいな決断をした。これをやってから、朝は「ちょっとだけ」余裕が出る。出かける直前になって「おかーさん、○○ない？」とああ無情なことを言う子どもにだって、邪見にならずにすむ。もっとも夜は阿修羅のごとく、というのも（残念ながら）付け加えなければならない。

　夜も朝も優雅に過ごしたい、という方もいらっしゃるかもしれない。もちろんそれも可能だ。簡単なことなので、お教えしよう。

　早起きさえできれば！！　

　これさえできれば、何の苦労もしなくて済むのである。