花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

コールドスリープ

2023年02月11日 | 学校
1月上旬まで雪の中で花を咲かせていたクリスマスローズ。
この冬は雪が少ないと話していましたが、
今はしっかり根雪となりました。
そのためクリスマスローズは雪の中。
この中に咲いたまま生き埋めになっています。
しかしこの状態はいつものこと。驚くことはありません。
驚くとすれば雪が溶けたとき。
おそらく花を咲かせた状態のままで顔を出すはずです。
まるで宇宙旅行の映画に出てくるコールドスリープのようだと思いませんか。
気温は氷点下5度以下。でも雪の中はそんなに下がりません。
低温状態に保つことで代謝を落とし、老化を防ぐ技術とよく似ています
目覚めるのは3月になると思いますが、
顔を出した際はぜひ寝ぼけ顔をご紹介したいと思います。
しばしの間、冬眠です。
さて今日は、毎日地球未来賞の授賞式。
ラストステージとなるFLORA HUNTERSの大阪での活動は
また後日報告したいと思います。
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アイデアの実験場

2023年02月11日 | 研究
今年度FLORAが取り組んだ研究の中に露天風呂栽培というものがあります。
先日ご紹介したので覚えている方もいるかもしれませんが
真冬に無加温の温室で養液だけを10℃に加温して行う水耕栽培です。
まだ荒削りの研究ですが、寒じめながら生育を確保でき、
さらに省エネに繋がる新しい栽培技術として環境系の大会で受賞しています。
実は今から5年ほど前、露天風呂栽培と全く逆の発想の研究が行われていました。
つまり夏場の夕方から朝までの間、養液だけ15℃に冷やした水耕装置で
トマトを栽培するという研究です。目的は甘い水耕トマト。
水耕栽培は根が常に養液に浸っているので、水は吸収し放題。
そのためぐんぐん大きくなりますが、当然水っぽく美味しくありません。
この研究に取り組んだのは当時のFLORA Jr.であった3名の女子たち。
TEAM FLORA PHOTONICSの指導のもと、栽培調査を行なっていました。
そしてこれが収穫されたトマト。左から土耕、水耕、冷却水耕です。
やはり大きく育ったのは水耕栽培ですが、甘くありません。
その逆が土耕。甘いけれど小さく、収量で劣ります。
ところが冷却水耕は、収量は水耕栽培に、糖度は土耕に近いという
生産者にとっても消費者にとっても嬉しい結果となりました。
さまざま分析したところ、彼女たちが発見したのは根の違い。
冷却水耕が一番成長していたのです。トマトの根の生育適温は15〜23℃。
しかし夏の温室は猛暑になるため、従来の水耕では液温が25℃を超えていました。
ところが冷却水耕は常時適温内なので順調に生育します。
さらに夜間はぐっと冷やされるので吸水力は抑制。
その結果、旺盛な生育と高い糖度の両方を獲得できたようです。
この研究は冬に行われた生物系の学会で3名が発表しています。
思いついたら試してみる。Jr.制度はFLORAのインキュベーションセンターの
役目も担っていました。なお3名中、1名は進級してFLORAの仲間入り。
他の2名は他学科のためFLORAに入られませんでしたが、農ク役員として活躍しました。
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