オーストラリアの ゴールドコーストという町へ
ホームステイ旅行をしたことがあります。
午前中は、病院のキッチンでサンドイッチ用に
バケツに入った大量のゆで卵の殻むきと、
衣料ケースに入った蒸しチキン肉を
細かくほぐすボランティアで働いて
(キッチンの収益は、病院の医療機器を購入するために寄付)
午後から 各地を観光し、帰宅すると
ベルギー人のマリアさんが、夕食を作ってくれます。
一緒に観る テレビ番組はBBCでした。
ある夜、「微笑みの国ニッポン」の特集があって
東京のビジネスマン達が、割り箸をくわえて
ニーっと、笑顔の練習をしているという
研修会風景が紹介されました。
マリアさんは、笑って笑って、
あれは、本当なのか?と聞くものだから
「無理してでも、笑顔を作ると、元気が出るかもしれないし」
「笑顔で、耐え忍ぶ人だっている」
と、片言の英語で返事しました。
翌日は、日曜日で
私がマリアさんのために日本の家庭料理を作ることにしました。
マリアさんの車で、日本の調味料をデパートに買いに行ったり
市場で、中国系の野菜しか手に入らず、一日中、苦労して 食材を集めました。
それなのに・・・
電子レンジが、日本の規格と異なっており、
白い煙がでてきました。
異臭に気付いたマリアさんも「NO~!」
がっかりしている私のそばに来て
「Do you need the chopsticks ?」
といって、慰めてくれました。
彼女が 割り箸をくわえて 笑ってくれたので
二人で、つつましい夕食会を 愉しむことができました。
コロナ禍に加えて 大雨が降り始め、
流れてくるニュースは、気持ちの重くなる 出来事ばかりですが
ささやかな笑顔が、耐える力や 勇気を育んでくれそうです。
「苦しい時ほど、明るくなくちゃね!」
と、教えていただいたことを 思い出しています。