笑顔浴

優しい時間

ご褒美

2010年12月11日 | Weblog

12月8日

「情けないんよ」が口癖になった母の 忘れる能力は 発揮される機会が多く

施設に提出する書類に「15時で早退させてください」とメモして

デイケアに母を迎えに行った。

 

小さい頃から病院と施設で暮らしたせいもあって

私は母を待つことが圧倒的に多かった。

お迎えが遅れると、不安になって泣いた。怒って訴えた。

 

だんだん、母が私の迎えを待つことが増えて

いつまでも、母の子供でいたい私は切なく感じる日もあるけれど

私を二十歳まで育てたら「母」の務めは終わって良い。

83歳の女性に迎えに来て欲しいなんて、普通は考えない。

二人のうち迎えに行ける方が行けばよい。

 

2つの病院を掛け持ちして、2つの薬局で薬をもらったので、一安心。

「夕飯はご馳走してあげるから、何でも好きなものを食べにゆこう」と母がねぎらってくれるので

「寒いから、おうどんが食べたいなあ!」

「いいよ」

ちょっと奮発して蟹のてんぷらも乗ってる北斗うどんに決めた

「美味しい~」と盛り上がる。

デイケアの話に花を咲かす。

「今日はおかあちゃんのおごりだったね、馳走様でした、どうもありがとう」

とお礼を述べて、請求書と現金を渡すと、

「どういたしまして。先に払いよるよ」と席を立ち、一人で支払っている。

母の後姿を眺めながら 自信に満ちた表情の明るさを嬉しく想う。

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