現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

村上龍「トラベルヘルパー」55歳からのハローライフ所収

2018-02-05 08:28:41 | 参考文献
 六十過ぎのトラックドライバーの、老いらくの恋の結末を描いた作品です。
 偶然の多用、極端な設定、キャラクターの際立つ登場人物、とってつけたような楽天的な結末。
 そう、これは典型的なエンターテインメントの手法で書かれた小説なのです。
 村上春樹も村上龍も、それぞれ違う形ではありますが、限りなくエンターテインメントに近づいていっています。
 これは、現在の文学に読者が求めている物の反映なのでしょう。
 二人の極めて時代に敏感な作家たちは、それを的確に察知して転身をとげているようです。
 児童文学の世界では、那須正幹、岡田淳、あさのあつこ、上橋菜穂子、荻原規子などが、このような転身をとげて、時代の変化を切り抜けています。

55歳からのハローライフ
クリエーター情報なし
幻冬舎
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