1984年に出版されたスパイ小説(主に防ぐ方からですが)です。
「第四の核」というのは、当時の核軍縮の第四の議定書で禁止されていた部品を目標地の近くまで運んで組み立てて、時限装置で爆発させる超小型の核兵器のことです。
まさに、この兵器こそ、スパイとそれを防ぐ組織を描くのを得意としている作者にもってこいの題材です。
作品では、当時冷戦中だったソ連のスパイと、ターゲットにされたイギリスの防諜機関の、手に汗握る攻防が描かれています。
それとともに、両国の腐敗した官僚組織への批判も描かれています。
エンターテインメントなので、偶然の多用やご都合主義、キャラクターのデフォルメは仕方がないのですが、フォーサイスの小説に度々出てくるイギリスの諜報組織の長官であるナイジェル・アービンの全てを知り尽くしているようなキャラクター(作者にとって一番愛着のあるキャラクターで、ある意味作者の分身なので仕方がないのですが)は、いささか鼻につきます。
それにしても、どこかの国の書記長がこの小説を読んで、同じようなスパイと超小型の核兵器を送り込んできたら、はたして日本の防諜機関は防ぐことができるのでしょうか?
「第四の核」というのは、当時の核軍縮の第四の議定書で禁止されていた部品を目標地の近くまで運んで組み立てて、時限装置で爆発させる超小型の核兵器のことです。
まさに、この兵器こそ、スパイとそれを防ぐ組織を描くのを得意としている作者にもってこいの題材です。
作品では、当時冷戦中だったソ連のスパイと、ターゲットにされたイギリスの防諜機関の、手に汗握る攻防が描かれています。
それとともに、両国の腐敗した官僚組織への批判も描かれています。
エンターテインメントなので、偶然の多用やご都合主義、キャラクターのデフォルメは仕方がないのですが、フォーサイスの小説に度々出てくるイギリスの諜報組織の長官であるナイジェル・アービンの全てを知り尽くしているようなキャラクター(作者にとって一番愛着のあるキャラクターで、ある意味作者の分身なので仕方がないのですが)は、いささか鼻につきます。
それにしても、どこかの国の書記長がこの小説を読んで、同じようなスパイと超小型の核兵器を送り込んできたら、はたして日本の防諜機関は防ぐことができるのでしょうか?
第四の核(上) (角川文庫) | |
篠原 慎 | |
角川書店 |