1970年ごろに書かれた作者得意のハチャメチャSFです。
当時はまだベトナム戦争が行われていて、アメリカの太平洋艦隊がベトナムに向かって日本近海から出払ったすきをついて、北朝鮮の艦隊が日本に向かって攻めてきます。
海上自衛隊の艦隊が対峙しますが、専守防衛のために先攻されて防戦一方に立たされます。
北朝鮮軍が使った核兵器がオンボロ(当時は核開発能力がなかったので中共(当時はまだ中国と国交が結ばれていなかったので、中国は中華人民共和国を略してそのように呼ばれていました)から中古の欠陥品を買ったことになっています)だったために、核爆発は空間ではなく時間を破壊してしまいます。
タイムスリップした海上自衛隊の艦隊は、有名な日本海海戦へ紛れ込んでしまい、東郷平八郎司令長官が率いる大日本帝国海軍連合艦隊に遭遇し、あっさりと殲滅されてしまいます(これが、海戦上有名な「敵前大回頭」という作戦ということにしています)。
一方、北朝鮮の艦隊は、日本海海戦のもう一方の艦隊であるロシアのバルチック艦隊と遭遇し、またオンボロ核兵器を使用したために時間はさらにグチャグチャになってしまい、日本と朝鮮半島が地続きだったころのナウマンゾウの群れや大津波や大嵐(その一つが元寇を防いだいわゆる「神風」)を引き起こします。
さらに空間的にもおかしくなったらしく、タイタニック号(北大西洋で氷山に衝突して沈没)や「杉野はいづこ、杉野はいづや」で有名な日露戦争の軍神広瀬中佐(場所は旅順港なので日本海ではありません)まで登場して、ハチャメチャになります。
こうした作品は、現在の若い読者には、ほとんど読解不能でしょう。
作者は、読者がある程度の社会情勢や歴史の知識(当時では常識程度ですが)を持っていることを前提に書いているからです。
他の記事に書きましたが、当時はまだ教養主義のしっぽが残っていて、一般読者でもこれらの知識は共有していました。
当時はまだベトナム戦争が行われていて、アメリカの太平洋艦隊がベトナムに向かって日本近海から出払ったすきをついて、北朝鮮の艦隊が日本に向かって攻めてきます。
海上自衛隊の艦隊が対峙しますが、専守防衛のために先攻されて防戦一方に立たされます。
北朝鮮軍が使った核兵器がオンボロ(当時は核開発能力がなかったので中共(当時はまだ中国と国交が結ばれていなかったので、中国は中華人民共和国を略してそのように呼ばれていました)から中古の欠陥品を買ったことになっています)だったために、核爆発は空間ではなく時間を破壊してしまいます。
タイムスリップした海上自衛隊の艦隊は、有名な日本海海戦へ紛れ込んでしまい、東郷平八郎司令長官が率いる大日本帝国海軍連合艦隊に遭遇し、あっさりと殲滅されてしまいます(これが、海戦上有名な「敵前大回頭」という作戦ということにしています)。
一方、北朝鮮の艦隊は、日本海海戦のもう一方の艦隊であるロシアのバルチック艦隊と遭遇し、またオンボロ核兵器を使用したために時間はさらにグチャグチャになってしまい、日本と朝鮮半島が地続きだったころのナウマンゾウの群れや大津波や大嵐(その一つが元寇を防いだいわゆる「神風」)を引き起こします。
さらに空間的にもおかしくなったらしく、タイタニック号(北大西洋で氷山に衝突して沈没)や「杉野はいづこ、杉野はいづや」で有名な日露戦争の軍神広瀬中佐(場所は旅順港なので日本海ではありません)まで登場して、ハチャメチャになります。
こうした作品は、現在の若い読者には、ほとんど読解不能でしょう。
作者は、読者がある程度の社会情勢や歴史の知識(当時では常識程度ですが)を持っていることを前提に書いているからです。
他の記事に書きましたが、当時はまだ教養主義のしっぽが残っていて、一般読者でもこれらの知識は共有していました。
わが良き狼(ウルフ) (角川文庫 緑 305-4) | |
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