筆者は、子供たちから標記のような質問をよく受けるそうです。
それに答える形で書いています。
まず筆者があげたのは、国民学校の低学年のころにいた用務員のおじさんです。
普段は怖そうでとっつきにくいおじさんが、校庭に紛れ込んだ野犬に逃げ遅れた女生徒たちが襲われそうになったとき、一人で竹箒で立ち向かい、見事に撃退したそうです。
子供たちを意識したのか、やや格好つけている感はしますが、そうした無名の人をあげています。
もう一人は、どんな人になりたいかの模範作文のような形で、小学校四年生だった丸山眞男が書いた、関東大震災の時に学校へ避難した人たちを先に逃がして、自分は逃げ遅れて惨死された校長先生を称えた作文を紹介しています。
これもまた、その作文の文章を添削する部分も含めて、教育的配慮が過ぎて面白味に欠けています。