現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

小川洋子「手違い」不時着する流星たち所収

2017-05-03 10:27:19 | 参考文献
 「お見送り幼児」という不思議な仕事(葬式には必ず幼児が必要で、適当な幼児がいない遺族は、プロの「お見送り幼児」を依頼する)をしている姪の世話係の女性(かつては彼女も「お見送り幼児」だった)の話です。
 手違いで該当する葬儀がなく、主人公と姪は湖水公園へ行きます。
 そこで、二人は湖岸に落ちている石でお手玉をしたり、積み上げたりします。
 作者の練達の手にかかると、そのあたりの雰囲気がいつのまにか幽冥との境のようです。
 ラストで、二人は、三人の男の子たちのシッターで古びた写真機を持った女性と、つかの間の会遇をします。
 なお、「生涯の大半を住込みのナニー(乳母)としてすごしながら、膨大な未発表写真を撮った」ヴィヴィアン・マイヤー(おそらくラストに出てくるシッターが彼女でしょう)に触発されて書かれた作品のようなのですが、彼女の写真は数枚しか見たことがないので、関連についてはコメントできません。

不時着する流星たち
クリエーター情報なし
KADOKAWA

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