被災された多くの皆様への心からのお見舞いと
亡くなられた多くの皆様に尽くせぬ深い哀悼の意を捧げます。
3月11日の昼下がり
私たちが送っていたあの日常
当たり前であることを疑いもしなかったあの日々は
まるで幻影のように失われました。
私たちのもっとも大切にしていたものは
それを全く 意に介さない圧倒的な力によって連れ去られました。
代わりに私たちは
現実であることを受け入れるのが困難なほどの
現実に突如放り込まれました。
この睨むような変貌と喪失は しかしやはり世界の真実なのでしょう
これが私たちの生きる世界。
それでも私たちはこの地球の子であり この世界を生き延びます
たくさんの涙と 汗が 土地と海に落ちて
あの美しい海の町々は
なおも復活するでしょう
命あるものは あらゆる破壊と喪失を乗り越えて前へ
前へ
地球は私たちに海と同じ命をあたえたからです。
そして世界は修復されるけれど 元の世界とすこし違うでしょう
私たちは大切な物を憂い その記憶は長く残ります。
また私たちは あたりまえのことの はかなさとかけがえなさ
もと多く もっと早く もっと明るく
果てしなく求めて満ち足りないことの 宿命的なつまづき
さまざまなことに 気づきつつあります
復興する世界は それらのものを含みながら築かれていきます
命あるものが寄り添い
力をあわせて
寄り添う命の 寄り添う互いの肩のぬくもりが
以前よりもあたたかく感じられるような
そのあたたかさがいっそうかけがえなく
大切に思えるような
そんなふうに世界がよみがえるならば
失われた大切な命は その後ろに残った世界に
ぬくもりとなって残り続ける
私たちとともに残り続ける
私たちが忘れない限り
世界の人の心の回復のなかで
命を 命が残したぬくもりを
私たちが再び見失わずに歩んでいくことを
強く願います。
釜石 大槌 大船渡 盛 途方も無い 瓦礫を眼の辺りにして
背筋が冷たくなるような現実を見てきました。
大津波に飲み込まれてしまった 命 の叫び声 が 聞こえてきそうな
涙が
止まりませんでした。 何もなすすべが無く ただただ 眺めていました。