教えその3 「人とのつながりが唯一の財産である」
人とのつながりを何よりも大切にすることです。
感謝の気持ちを忘れず、礼を尽くし、相手を思いやること。
人間関係を大切にすることは当然のことと思われますが、実際には名誉や社会的地位、金銭的な面など自分の利益を優先した条件付きで他者と接している人が多いことも現実です。
豊山の水泳部は泳力の優れた生徒しかいないように思っている方もいるかもしれませんが、決してそのようなことはなく、やる気さえあれば誰でも入部できます。
泳力は一切問いません。
現在、中学・高校あわせて200名規模の生徒が在籍するクラブとなっていますが、途中で退部する生徒はほとんどいません。
そして卒業後も水泳部OB会の一員として、生涯にわたり水泳部との関係を保ち続け、1年に1回OB会が開催されています。
水泳部OBは豊山水泳部に所属していたことを誇りに思う方が多いのではないでしょうか。
私が卒業式の前に行う3年生を送る会でいつも話をすることです。
社会人になるときに泳ぐスピードは何の自慢にもならず、大切なことはその記録を出すために何を学び、身につけたかということ。
そして、水泳部の一員であるということをこれからも大切にして、仲間で集まる機会をつくってほしい、ということです。
運動部で苦楽を共にした仲間というのはかけがえのないもので、まさに財産です。
カントの人格主義は、人を目的として取扱い、決して手段として用いてはならないという教えです。
日本には「情けは人のためならず」という格言があります。情を持って他人と接することは、結果的に自分のためになるということです。
私もつながりのある人々に対しての気の配り方を多く勉強させていただきました。
まだまだ至らない点は多くありますが、これからも人とのつながりという財産を大切にしていきます。
竹村知洋