仕事をしていくうえで様々な問題に直面しますが、何かを成し遂げようとしたらそれが当然のことである、という教えです。
教育現場では日々、様々な問題が発生します。
何もない日が続くことの方が珍しいくらいです。
特にクラブ活動ではその問題が倍増します。
私に関して起こる問題は、ほとんどがクラブ関連のことであるといえるでしょう。
しかし、問題が起こる度に悩んではいられません。
一つ一つの問題に思い悩んでいたら、おそらく身心共に不調をきたし、この仕事を続けていくことは難しいものと思われます。
200名規模の部員を有するクラブですから、人間関係に関することはもちろん、寮生活のこと、練習への取り組みや大会の結果に関すること、その他生活面に関することなどすべてが順調にいくことは、まずありません。
特に最近は情報ツールが発達していますから人間関係に関する問題が見えにくくなっており、少しのことで問題が大きくなったり、誤解から生まれていることも多いようです。
インターネット上の問題というのは新たに生まれてきたもので対応が難しい部分もありますが、たいていの問題というのは解決可能なものです。
もちろんそこには諦めずに対応するという態度が必要なことはいうまでもありません。
私が常々言っていることは、うまくいかないときこそその人の本性が試される、ということです。
うまくいっているときには誰でも笑顔になり、力を発揮するのはごく普通のことです。
問題や困難に直面したときにこそ、その時の態度や対応の仕方にその人の本性が現れるものだ、と思っています。
例えば試合でうまくいかなかったりしたときに、愚痴を口にだしたり、言い訳をしたり、環境や他人のせいにしたりする人がいますが、大変見苦しいものです。
大きな器をもつ人物は、決してそのような対応をしません。
大相撲の最多連勝記録を持つ双葉山が、その記録を69で止めてしまった時の「未だ木鶏たりえず」は有名な言葉です。
私と同年代の松井秀喜選手は、甲子園で5打席連続敬遠という作戦でチームが敗戦した時も、一言も相手のことを責めるようなことは口にしませんでした。
他にも大変見習うべき人物は多く、大きな器を持つ人物こそ一時的な感情に流されることなく、自分の気持ちを制御して大きな仕事ができるのでしょう。
問題が発生したら即座に対応することも必要です。
私自身も反省すべきことで、問題は先延ばしにすればするほど大きくなることが多いです。
そもそも水泳部の目標を実現するためには、問題や困難に直面するのは当然であると考えています。
仏陀は「人生は苦である」と教えています。
この一切皆苦の教えは、人間が生きるということはそれだけで苦しいことがつきものであるということです。
人生から苦しいことを消すことはできないのです。
それを受け入れたうえで、どのような心の持ち方で生きるかということを仏陀は教えてくれます。
これからも平常心を失うことなく、目標実現へ向けて為すべきことに取り組んでいきます。
竹村知洋