成功の陰には、多くの失敗の経験があるはずです。
人はたいてい、自分の成功を語りたがるものですが、より学びが多いのは失敗のほうであると考えています。
教育現場で失敗というのは、本来許されるものではありません。
すべてが成功でなければならないわけですが、のちのち考えるとこうしておけばよかったと思うことは多々あります。
成功というのはその人個人のものであり、特殊な事情が重なることが多いですが、失敗には共通項が多いような気がします。
より多くの失敗を積み重ね、そこから学んでいる人のほうが成功しているのではないでしょうか。
その意味で考えると、失敗の経験というのは貴重なものです。
同じような場面に遭遇したときに、過去の経験から最善の対処ができるものと思われます。
そのためには失敗から目をそらすことなく、向き合う必要があります。
私はよほどのことでない限り、たいていの問題というのは解決可能であると考えています。
一番いけないことは失敗から学ぶという姿勢がなく、あきらめてしまうことです。
また、同じ失敗を何度も繰り返すことも経験から学んでいない証拠でしょう。
孔子は「過って改めざる、これを過ちという」という言葉を残しています。
過ちそのものは誰にでもあることです。
それを改めようとしないことが、過ちであるという意味です。
一生懸命取り組んでいれば、必ず失敗はつきものであり、失敗すること自体を恐れることはありません。
逆に失敗がないというのは、物事に真剣に取り組んでいないと言わざるを得ません。
大切なのはそこから学び、次に生かすという姿勢です。
高い目標を設定していれば、多くの失敗があり、その積み重ねの先に成功があるものです。
そもそも目標を実現しようという強い気持ちがあれば、少々の失敗には負けないはずです。
あきらめたり、何度も同じ失敗を繰り返すのは、もともと目標に対する気持ちも薄いものと思われます。
「失敗から学ぶ」というこの教えは、物事に真剣に取り組んで何とか成功したいと考える人にとって、大切なものです。
失敗を恐れることなく、自分の思う道を思い切って進むうえで今後も生かされる教えです。
竹村知洋