自分が決めたことに関して、徹底して取り組むという教えです。
時間や労力、精神力など自分のすべてを集中することが必要となります。
競泳というスポーツに価値を見出して一度始めたことであれば、成果を出すまで他のことに惑わされず、徹底して取り組むことです。
一番いけないことは、中途半端な取り組みをすることです。
そのような取り組み方では、結果も中途半端なものにしかならないのは当然です。
日本の競泳は大変レベルが高く、競泳選手として全国レベルで活躍したいと考えるのであれば、他のことに惑わされていては成果は出せません。
いつも生徒に言うことは、本気でやる気がないのであれば最初からやらないほうがよい、ということです。
体力の向上や技術の改善をしようとする場合、何度も繰り返して取り組まなければなりません。
数日や数週間で改善されることは少なく、数か月もしくは数年間は継続する必要があるかもしれません。
自分の課題や弱点と向き合うことはつらいことですが、一度時間をかけて改善できれば、その後多少失われても元に戻すことはできます。
また、課題を克服したということは自信にもつながります。
途中でやめてしまったら何も残りません。
私の教え子の中でも、オリンピック選手の柴田隆一君は大学4年生になってから花開き、国際大会の代表選手として活躍しました。
大変な努力家で、「継続は力なり」を証明した選手の一人です。
もちろん徹底した取り組みをするといっても、他のことをすべて排除するという意味ではありません。
学生時代は学問が主であり、友人関係なども大切にする必要があります。
しかし、練習時間には気持ちを切り替えて水泳に集中し、生活においても競泳選手であることを常に頭に入れておかなければならないと思います。
また、指導者側にとってもクラブ活動に集中することは同じことが言えます。
クラブ活動は課外活動ですから、担任業務や学習指導、学校行事、諸会議への出席が主であり、そのすべてを終えてからはじめてクラブ活動に取り組むことができます。
私は公民科の教諭として、毎年のように受験生への学習指導も行っています。
たいていこれらの仕事だけでも忙しいのですが、それを理由にクラブ活動がおろそかになっていては成果は出せません。
クラブ活動への取り組みを徹底することで、より生徒とのつながりを深め、教育効果を高めることができます。
その結果として、試合で勝利したときの喜びは何物にも代えられません。
学校業務とクラブ活動を両立させることは確かに大変なことではありますが、それだけにやりがいもあります。
自分の目標を定めて徹底して取り組む、というこの教えは、時間の管理をしっかりし、日頃から気力・体力を充実させていなければできません。
今後もこの教えを念頭に充実した毎日にしていきます。
竹村知洋