日大豊山高校は、男子校です。
男子校は日本大学付属唯一であり、全国的にも少数派(2%程度)です。
日本では少子化の流れでますます共学化が進んでいますが、男子校であるということだけで貴重な存在なのです。
戦後、男女平等の観点から共学化を推進してきたのはアメリカですが、そのアメリカでは近年、男女別学校が急増しています。
その理由は、男女別学教育はそれぞれの成長にあわせて、特性を考慮したより効果的な教育ができるということが実証されたからです。
イギリスや日本でも国内トップクラスの大学への進学率は、男女別学校の割合が多いことはよく知られています。
つまり男子校では「男らしさ」を考慮し、生徒の成長をより促進させる教育を行うことができるのです。
では、「男らしさ」とは何か。
それは本校の校訓である 「強く 正しく 大らかに」 によく表わされています。
・強く … 困難にぶつかってもそれを乗り越える心と鍛え上げられた肉体という身心の強さを兼ね備えること。
・正しく … 「公」の精神を持ち、道徳的な正しさを養うこと。
・大らかに … 広い視野と高い理想を抱き、他者を許す大らかさを持つこと。
この校訓は日大豊山の男子教育の長い歴史によって磨かれてきたものです。
このような「男らしさ」を養うには、「我慢」と「広い心」を必要とします。
水泳部の活動を通して、練習の厳しさはもちろんのこと、毎日の掃除や上下関係から「我慢」することを学び、仲間とのつながりや中学1年生から高校3年生までの人間関係から「広い心」を養います。
それが男の「大きな器」をつくることにつながるのです。
生徒の様子を見ていても、女子のいない気楽さからか、男同士の付き合いというのは実に楽しそうです。
卒業後の話を聞いていても、中学・高校時代は楽しかったという生徒が多いです。
また、昔の水泳部OBからは、「男らしさ」を特に強く感じます。
貴重なる男子教育の利点をこれからも生かし、「男らしい」生徒の育成に努めてまいります。
竹村知洋