長月。
涼やかな夜を過ごす楽しみのある月ですが
なんとも今夜も熱帯夜。
クーラーは、まだ暫くは止められません。
風情な虫の声も、今はなんとも恨めしい。
さて、熱風のせいで庭仕事が、何かの罰ゲームにしか思えなくて
暫く遠ざかっておりました。
いえ、気にはかかっていたのですが、なにしろ、幼稚園の夏期保育が始まり
慌しい事この上ない一週間を過ごしていたのです。
少し日差しが和らいだ時間に、花がら摘みに出てみましたら
なんとも嫌な予感。
それは、レース状に透けた葉。
ああ、もしかして。
気をつけてその葉を裏返して見たら、案の定、小さな小さな悪魔が
一生懸命貪りつくしている最中でした。
そーっと気をつけてレジ袋に、その葉を根元から切り落としました。
で、上からこれでもかと踏みつけて、きっとご近所の方には
さぞ不思議な、いえ、もしかしたら訝しげに見えたことでしょう。
でも、刺されずに始末するにはこうするしかない。
まさか、その葉だけなんてことはないだろうと
ガーデーナーの血が騒ぎます。
そうこうして、怪しげな葉をまたそーっと見れば
ああ、ここにも、ここにもと、大当たり。
宝くじは当たらないのに、こういうものは当たるのね。
一番被害が多かったのは、バラ・マイダスタッチ。
強靭種のバラで、あまり虫が付かないように思うのですが
昨年も、第一被害はここでした。
どうやらイラガには、気に入られているようです。
ところが今年は、同じようにピエールの葉にも被害があり
マイダスに比べれば被害は少なくても
昨年は無かったことなので、正直ショックです。
これも、夏休みの憂さを晴らすのも兼ねて、思いっきり踏みつけました。
そんな地団駄を踏んでいましたら、
ご近所の奥様のお庭でも、大量発生したらしく
勿体無いと呟きつつ、枝ごと処分するはめになったと聞きました。
それにしても、こんな熱風、高温注意報が発令される最中
ヤツラは何ともないのでしょうか。
いえ、もしかしたら、これだけの被害の多さには
この高温、猛暑が影響しているのかもしれません。
梅雨も空梅雨でしたしね。
とりあえず、今朝の段階では
我が家の卵・幼虫は駆逐したと思いますが
いやいや、油断できません。
これからは暑いのに、長袖が欠かせないと、なんともまた
命がけなことでしょうか。
バラにとっては、これからがまた、お世話時なので不精はできませんし
本当に、庭仕事・庭作りとは精進、修行ですね。
ちなみに昨年は、ヤツラの正体が分からず
触りはしなかったものの、切った葉をピンセットでつまんで捨てに行っていました。
(孵化する前のもの)
イラガは卵にも毒があるそうですね。
今思うと、なんと恐ろしい事をしていたことか。
ただ、不謹慎かもしれませんが
食害されたレース状の葉には、見とれてしまいます。
毒をもった醜い姿のものが作り出す、美。
そういうものを感じながらも、やはり私は、見つけたら踏み潰すことでしょう。
美しいバラを咲かせるために。
追伸
最終幼虫のイラガの顔(威嚇模様)は
まるで使徒そっくりです。