京都四条の南座へいま話題のお芝居「出発」を観にいく。
芝居といえば、吉本新喜劇くらいしか知らないので、シリアスな芝居ってどんなものなのか。期待はふくらむ。
定刻に開演。
舞台中央のスクリーンにオープニングが上映され、暗転になってスクリーンが上がっていくと、その後ろから戸塚祥太さんがギターを弾きながら登場する。
あとでしらべてわかったけど、戸塚さんはA.B.C-Zという人気アイドルグループの歌手だった。どうりで若い女性の観客が多いはずだ。
この芝居はつかこうへいの作品で、36年まえにも上演されている。それを錦織一清の演出でリバイバルさせたものだ。(ちなみに錦織さんはあの少年隊のメンバーの一人です)
家族の一人一人がいろいろな思い出話を語りながら、それぞれの絆をたしかめていく。
夫と妻、母と息子、兄弟、義母と娘など、さまざまな関係が舞台の上で浮き彫りになっていく。
だけど、なんだかなあ……
会話が途中でブチ切れて、突然BGMが鳴りだし歌ったり踊ったり、そうかと思うと妙なタイミングでツッコミが入ったりで、そのまえの会話がなんだったのかよくわからない。
印象としては支離滅裂な感じで、なんか話が軽すぎる。これが東京の芝居なのか?
ま、それなりに楽しめたので良しとするか。
南座を出て、二条城の近くにあるギャラリー@KCUA(アクア)でやっている「アピチャッポン展」を見にいく。
南座のまえからバスで移動しようと思ったのだが、四条通りの渋滞がはげしく、車がほとんど動かない。
歩いた方が早いと判断して、猛暑のなか四条通りを西へ歩いていく。
すると祇園祭で巡行される山鉾がむこうからやってきた。きょうは17日の本番にそなえてのテスト巡行「曵き初め」らしい。
片側一車線がほぼ通行できない状態で、ゆっくりと進む山鉾のまえと後ろには人があふれかえっている。こりゃ渋滞するわ。
烏丸通りまで歩いて、そこからタクシーで@KCUAへいく。
アピチャッポン・ウィーラセタクン氏はタイの映像作家である。
広い会場内はいくつかのブースに分かれていて、映像作品が上映されている。大きな写真やドローイングもある。
これがもう難解な作品ばかりで、なんの予備知識もなく見るとさっぱりわからない。
コンセプト重視のモダンアートというのは、真剣に理解しようとせず、光や音を感じて空間を楽しむくらいでちょうどいいと思う。
世界にはいろんな表現をする人がいるなあ、くらいの気持ちで見れば疲れない。
夕方、三条近くの鴨川では若者がライブをやっていた。
昼間の暑さと打ってかわって、河原のうえは気持ちのいい風が吹いている。好きな仲間や恋人と音楽を聴いて過ごすのもわるくない。
今夜の夕食はわたし一人なので、駅前の中華屋でかんたんに済ます。生ビールが腹にしみた。