きょうは奈良交響楽団の定期演奏会を聴きにいく。このオケはアマチュア楽団であるが、じつは知り合いのGさんとHさんが入っている。
クラシック音楽のたのしみ方はいろいろあるけど、やはりホールで生演奏を聴くことが一番スリリングでおもしろいと思う。50人を超える演奏者が指揮者の棒1本で合奏するサマは見ているだけでもワクワクする。
13時すぎに会場に入ると中央付近の聴きやすい席は埋まっており、しかたがないので最前列の中央に座る。クラシックの音楽会で最前列なんてはじめてだ。
指揮は井村誠貴(いむらまさき)氏、曲目はつぎの3曲。
ヴェルディ/歌劇「ナブッコ」序曲
ファリャ/バレエ音楽「三角帽子」第2組曲
ベートーヴェン/交響曲第7番
演奏会は定刻にはじまる。
ナブッコの冒頭、トロンボーンの三重奏はいきなり出だしでつまずく。ここはプロオケでも緊張するむずかしい和声だ。
それをかき消すように9小節目から全パートによるフォルテッシモが鳴り響く。最前列だと足もとにその振動が伝わってくるからおもしろい。
ただオケに近すぎて、弦楽器特有の生音というかノイズが聞こえてしまうのが残念だ。
ご存じのようにバイオリンなどの弦楽器は馬のしっぽの毛でできている弓を弦にこすりつけて音を出す。このとき弓がすべらないように毛に松ヤニをぬるのだが、これによって摩擦が高くなり弦がふるえて音が出るのである。(松ヤニをぬっていない弓ではほとんど音が出ません)
その音が出る瞬間にじつは「ガリッ」というノイズが出る。演奏者本人にはもちろん聞こえるが、ホールの中央あたりの席だとそれがほとんど聞こえず、弦楽器の音の響きだけが聞こえてきて心地いい。
あの名器といわれるストラディバリウスの音も目のまえで聞くとガリガリというノイズがうるさくて、およそ何千万円もする楽器だとは思えないが、ホールの中央で聞くとそれがすばらしい響きとなって聞こえてくる。
まあ、そんなわけだから、きょうはオケの響きを聞くことはあきらめて、指揮者や演奏者の表情を目でたのしもうと思う。
クラシック音楽になじみのない人は、そもそも指揮者ってなにをしてるの? と思うかもしれない。そういう人はじっさいの生演奏を聴きにいけば、指揮者のやっていることがよくわかるだろう。
指揮者は音の出だしとテンポを指示するだけでなく、音の大きさや各パートとのバランス、最終的にはその曲の歌い方をからだ全身で表現する。
だから顔は見えなくてもその動きを見ていれば、指揮者がどんな表情をしているのかが想像できる。そしてそれが演奏者たちの表情にも現れるから、見ていてもたのしいのである。
そう切り換えてからはオケのミストーンも気にならなくなり、ただ指揮者の背中だけを見ていた。
中川家のお兄ちゃんにちょっと似ている?井村氏は関西を中心に幅広い活動をしている指揮者だが、オペラが得意なだけあってその背中の表情はとても豊かだ。
とくに2曲目の三角帽子は彼の十八番なのか、非常に快活でかつメリハリの効いた演奏でたのしかった。
終演後、いっしょに聴きにいったIさんとお茶をのんで帰る。
クラシック音楽のたのしみ方はいろいろあるけど、やはりホールで生演奏を聴くことが一番スリリングでおもしろいと思う。50人を超える演奏者が指揮者の棒1本で合奏するサマは見ているだけでもワクワクする。
13時すぎに会場に入ると中央付近の聴きやすい席は埋まっており、しかたがないので最前列の中央に座る。クラシックの音楽会で最前列なんてはじめてだ。
指揮は井村誠貴(いむらまさき)氏、曲目はつぎの3曲。
ヴェルディ/歌劇「ナブッコ」序曲
ファリャ/バレエ音楽「三角帽子」第2組曲
ベートーヴェン/交響曲第7番
演奏会は定刻にはじまる。
ナブッコの冒頭、トロンボーンの三重奏はいきなり出だしでつまずく。ここはプロオケでも緊張するむずかしい和声だ。
それをかき消すように9小節目から全パートによるフォルテッシモが鳴り響く。最前列だと足もとにその振動が伝わってくるからおもしろい。
ただオケに近すぎて、弦楽器特有の生音というかノイズが聞こえてしまうのが残念だ。
ご存じのようにバイオリンなどの弦楽器は馬のしっぽの毛でできている弓を弦にこすりつけて音を出す。このとき弓がすべらないように毛に松ヤニをぬるのだが、これによって摩擦が高くなり弦がふるえて音が出るのである。(松ヤニをぬっていない弓ではほとんど音が出ません)
その音が出る瞬間にじつは「ガリッ」というノイズが出る。演奏者本人にはもちろん聞こえるが、ホールの中央あたりの席だとそれがほとんど聞こえず、弦楽器の音の響きだけが聞こえてきて心地いい。
あの名器といわれるストラディバリウスの音も目のまえで聞くとガリガリというノイズがうるさくて、およそ何千万円もする楽器だとは思えないが、ホールの中央で聞くとそれがすばらしい響きとなって聞こえてくる。
まあ、そんなわけだから、きょうはオケの響きを聞くことはあきらめて、指揮者や演奏者の表情を目でたのしもうと思う。
クラシック音楽になじみのない人は、そもそも指揮者ってなにをしてるの? と思うかもしれない。そういう人はじっさいの生演奏を聴きにいけば、指揮者のやっていることがよくわかるだろう。
指揮者は音の出だしとテンポを指示するだけでなく、音の大きさや各パートとのバランス、最終的にはその曲の歌い方をからだ全身で表現する。
だから顔は見えなくてもその動きを見ていれば、指揮者がどんな表情をしているのかが想像できる。そしてそれが演奏者たちの表情にも現れるから、見ていてもたのしいのである。
そう切り換えてからはオケのミストーンも気にならなくなり、ただ指揮者の背中だけを見ていた。
中川家のお兄ちゃんにちょっと似ている?井村氏は関西を中心に幅広い活動をしている指揮者だが、オペラが得意なだけあってその背中の表情はとても豊かだ。
とくに2曲目の三角帽子は彼の十八番なのか、非常に快活でかつメリハリの効いた演奏でたのしかった。
終演後、いっしょに聴きにいったIさんとお茶をのんで帰る。