Happyday of LUCKY

日々の気付きと感謝を忘れないように綴るページ

餅は餅屋にまかす

2012年05月30日 | Life
先日のバイクツーリング以来、首と肩に強い張り感があり、とうとうガマンしきれずに朝からO整骨院へ行く。
「久しぶりですね」というので前回いつ来院したのか尋ねると、去年の6月ぶりだった。
その間に健康保険の法律が変わって、慢性の肩こりなどの治療には保険が利かなくなったという。
つまり急性のねんざなどに限り、保険が適用されるとか。
問診でそのことを告げられ、今回のツーリングの話をしたら、「急性」という見立てで治療することになった。

わたしの場合、ふだんの生活のなかで首や肩、そして背中・腰に緊張を強いることが多いので、背中全体の筋肉の動きが悪くなっているらしい。
そりゃシャッターを切る瞬間は背中だけじゃなく、からだ全身を意識的に固めないとブレるからね。
撮影のないときはPCに向かってることも多いから、その姿勢もよくない。
そういう習慣的な要因があって、ツーリングでさらに悪化に拍車をかけたようだ。
この整骨院ではマッサージとは言わず、リラックスという言い方でとてもやさしく揉みほぐしてくれる。
強いマッサージに慣れている人にはもの足りないかもしれないが、筋肉の緊張をほぐし血流をよくするには、あまりグリグリと揉まない方がいいらしい。
そしてさいごに皮内針という2ミリくらいの針を緊張の強い部位に刺す。
この針は上からテーピングしてそのまま1週間くらい刺しておく。痛みはまったくないし、風呂にも入れる。
きょうは症状がひどいので首・肩・腰に合わせて7本も皮内針を入れた。



午後からいよいよキヤノンギャラリーへ大阪写真月間2012の作品搬入。
自分の展示スペースの足下に作品を並べると、ギャラリーの人がやってきて釘打ちをやってくれた。
その素早いこと。あっという間に展示完了。さすがはプロの仕事だ。
キヤノンギャラリーはあしたから6/6(水)まで。開館時間は10~18時(最終日は15:00まで)。日曜日は閉館。
わたしは最終日の午後から当番でギャラリーにいます。

それから、わたしのウェブサイトにも今回の作品をアップしています。
キヤノンギャラリーまで行けないという方はこちら。「Photography」をご覧ください。

「溟い海」にみる表現者の孤独と哀しさ

2012年05月27日 | Life
倉敷までの往復の電車のなかで読んだ藤沢周平の「溟い海(くらいうみ)」は、1971年にオール讀物で発表され新人賞を受けた作品である。
つまり藤沢にとってはじめて文壇に認められた処女作ということになる。
そのことが解説に書いてあったので、よけいにおもしろく感じられた。

藤沢小説といえば、用心棒や下級侍を描いたものが多い。
平たくいえば「チャンバラもの」なのだが、その斬り合いのシーンが息をのむほどのリアリティで描かれている。
まずここにだれもが惹きつけられるわけであるが、本当の魅力はその剣の達人なり素浪人の生きざまや人物そのものの描写にある。
そこに登場する者たちは日ごろスポットライトの当たらない人間であり、その敵役は権力者である場合が多い。
多くのTV時代劇が権力を武器に悪人を懲らしめるのに対し、藤沢の小説はつねに弱者が強者を討つという構図になっており、その反骨な部分こそがわたしの胸のすくところなのだ。



ところが、この「溟い海」には用心棒も武士も出てこない。
なんと浮世絵師としてだれもが知っている葛飾北斎と安藤広重が主人公だ。
北斎が富獄三十六景で有名になったあと、広重が東海道五十三次で世間の注目をあびる。
広重に対する北斎のどろどろとした感情が全編を通じて描かれているのだが、さいごのシーンで広重の深い心の闇を知り、自分と同じ絵描きの孤独と悲哀を感じるのである。
美術の教科書でしか見ることのない北斎や広重の浮世絵の裏がわにある人間像のようなものに触れ、わたしは藤沢小説のべつの魅力を感じた。
これがデビュー作だったというから、はじめから完成していたわけだ。本当におどろきである。

「溟い海」は「暗殺の年輪」(文春文庫)に収録されています。

全国どこでも

2012年05月26日 | Life
5時半に家を出て倉敷へ向かう。きょうはM小学校の運動会の撮影だ。
クライアントは倉敷市のN写真館なのだが、本日は運動会と婚礼が重なって地元のカメラマンが足りないとのことで、わたしにまでお声がかかった。
倉敷って遠い気がするけど、新大阪-岡山は新幹線で1時間ほどなので、在来線の時間を合わせても2時間あれば到着する。
じっさい8時にはM小学校に着いてスタンバイした。



プログラムを見ると大阪も岡山もほとんど変わらない。おどろくほど同じだ(競技中のBGMまで同じです)。
きっとこの季節、全国で同じような運動会が行われているのだろう。
ある意味すごいことだが、ちょっとこわい。

たしかに同じようなプログラムなのだが、こちらの小学生はどの競技も一生懸命だ。
いや大阪の小学生だって一生懸命だろうが、なんかその懸命さがちがう。
なにがちがうのかと思っていたら、保護者の人数が圧倒的に多いことに気づいた。
PTAの役員みたいな人たちもたくさんいて、校内でアイスやジュースなどの販売もしている。
地域をあげて運動会を盛りあげているという感じ。
子供たちががんばるのも納得である。

だけどわたしはひねくれてるので、こういう一生懸命すぎる人たちを見ると空恐ろしい気持ちになる。
妄信的に先生のいうことを聞く生徒もこわい。
5年生の騎馬戦で、カブトをかぶった大将どうしが戦う姿を見て、背筋に寒いものを感じた。
いま本当に戦争がはじまれば、この子たちはきっと「お国」のために一生懸命戦うのだろうな。

撮影をおえ、N写真館でデータを落して、帰路につく。
帰りはのぞみに乗れたので45分で新大阪に着いた。速ーい。
余談だが、移動中に読んだ「溟い海」という藤沢の短編小説がめちゃめちゃおもしろかった。
18時まえに帰宅して、息子の夕食を手早くつくり、わたしは妻といつもの居酒屋へ。
冷えた生ビールで労をねぎらう。


デジタルプリントも気分しだい

2012年05月23日 | Photography
飢えた感覚を写真表現で昇華すべく、朝から大阪写真月間用の本番プリントをつくることに。
まず何枚ものプルーフプリントのなかから今回のテーマに合うように6枚をセレクトし、展示レイアウトをシミュレートする。
じつはこの作業はとても骨が折れる。もう何度も同じことをやってるのに、なかなか6枚が決まらない。
でも来週からはじまるので、そろそろ確定せねばならない。

とりあえずセレクトした写真のRAW現像をやりなおす。
デジタルをはじめたころは一度RAW現像したデータは、プリントのサイズが変わっても同じデータを使っていたが、じっさいにはそのまま使うと同じに見えない。
A3に本番プリントする場合、A4のプルーフプリントのデータより少し濃度とコントラストを上げておかないと眠く見えてしまう。
人間の目というのはアバウトなもんだ。



A3用に現像しなおしたデータを微調整してプリント用のデータをつくる。
このときに焼き込み用のレイヤーマスクもやりなおすことが多い。
プルーフ用のものを拡大して使えばいいのだが、どうもその日の体調や気分で焼き込みのニュアンスが変わるので、やはりやりなおしてしまう。
これはアナログの暗室をやっていたときの気分に近い。
本当は気分なんかで変えない方がいいのかもしれないけど。
とりあえず本日は4枚プリントし、先日つくっておいたブックマットに入れた。
でも来週までにまたやりなおすかもしれない。これは時間との勝負である。



ところで上のシールはいつもマットや額を購入している金丸真で手に入れたコーナー止め用のシールだ。
ふつうはピュアガードという中性紙を適当な短冊状に切ってコーナーをつくり、フィルムプラストT90という粘着力の弱いテープで止めるのであるが、このシールなら剥がして半分に折り曲げて貼るだけでOK。
しかも粘着力はそんなに強くないので作品やマットを傷めることはない。
1シートに8個のコーナーが付いていて60円。バラ売りしてくれる。
これはなかなか便利です。