ネパールから帰国して選択と現像の毎日であったが、きのうでほぼその作業もおわり、いよいよプリント作業に入る。
去年まではアナログ暗室で手焼きしていたので膨大な時間がかかったけど、今回はデジタルだから速いと思う。
でも、きのうまでの現像時間が手焼き作業に相当すると考えれば、かなりの時間が必要なのは同じである。
これまでインクジェットプリンターでモノクロプリントを出力するとき、月光シリーズの赤ラベルと緑ラベルをよく使っていた。
とくに赤ラベルの面質がアナログ印画紙にはない風合いで気に入っている。
「画材用紙」と書いてあるように、この紙にプリントするとちょっと絵画っぽいテクスチャーになるのがいい。
ただこの紙は蛍光増白剤を使っているらしいので、長期保存には不安がある。
そこで劣化が少ないとされる中性紙のピクトラン局紙とハーネミューレのファインアート・バライタ紙を使ってみることにした。
局紙は赤ラベルよりもさらに面質のちりめん模様が細かく、絵画というより版画のような上質感がある。
紙の色がややクリーム色っぽいので、純黒調でプリントしても温黒調のような感じに仕上がる。
ここは好みというか、作品の内容によって使い分ける必要があると思う。
一方、ファインアート・バライタ紙はオリエンタルのニューシーガルGの面質によく似ていて、まるでアナログプリントのような感じに仕上がる。
額装してガラス越しに眺めると、おそらく判別つかないだろう。
どちらも素晴らしいプリントができるので、一度使うともうやめられない。
ただどちらも泣きそうなくらい高価なのが悩みの種。
とかく作品制作にはお金がかかるものだ。