仕事で使うカメラは撮るものによってすぐ決まるが、プライベートな旅行ともなると、二度と訪れない場所かもしれないので、仕事以上にカメラ選びは慎重になります。この夏に行ったアイスランドへは前日まで迷いに迷いました。じつはこの旅行に持っていこうと思って、4月末にニコンF6を買ったのだけど、結局ライカM5を選びました。
いまさらライカの長所を書くこともないのですが、たぶんほとんどの人は触ったこともないと思うので、一応書いてみます。
1)たいていの一眼レフ機よりコンパクトで軽い
2)シャッター音がしずか
3)レンジファインダーが正確で、すばやくピント合わせができる
4)機械式カメラなので電池がいらない
5)システム上、ズームレンズが使えない
「大ライカ」などとライカファンから揶揄されたM5ですら、ふつうの一眼レフ機よりは小さくて軽いです。ちなみに仕事でよく使うD500とズームレンズの組み合わせで1500グラム。当初考えていたF6とズームレンズだと1600グラムの重さになります。M5に50ミリレンズならちょうど1000グラムなので、そのコンパクトさがわかります。
また人物スナップを撮るときに一眼レフ機のような大きなシャッター音はかなり目立つ。かくし撮りなどまず無理でしょう。M5なら相手に気づかれることなく撮ることが可能です。そういう写真がいいか悪いかはまた別問題ですが。
ピント合わせは撮影のスピードに直結します。オートフォーカス機はいちいちピントを合わせにいくので時間がかかって仕方がない。マニュアルに切り替えるとヘリコイドの回転角が少なすぎて細かい置きピンができないという不便さがあります。その点、ライカのマニュアルレンズには10メートルまでの間に8つもの距離指標があるので、慣れればファインダーを覗くまえにピント合わせを済ませておいて瞬時にシャッターを押すことができます。これはどんなオートフォーカス機よりも圧倒的に速いです。
さらにライカの美点でもあるバッテリーレス。いやじつはM5には露出計が内蔵されていて、それを動かすためにMR9という小さな電池が必要です。MR9はもう製造されていないので、代替品として僕はMRB625という電池を使っています。ほかにもアダプターを介してSR43なども使えますが、それぞれ電圧が微妙にちがうので、フィルム感度を設定するときに微調整する必要があります。僕の場合オーバー目に出るので、ISO400のフィルムでISO(ASA)360に設定して、やや減感しています。
なおこの電池はシャッターの駆動とはまったく連動していないので、もし電池がなくなっても撮影は問題なくできます。というか、1年以上前に入れた電池がいまもバッテリー指標にビンビンに反応してるので、いったいいつなくなるのか。ほとんど電池のいらないエコカメラです。
さいごに交換レンズについて。ズームレンズはたしかに便利ですが、重くてかさばるのが難点です。この旅で一番よく使った50ミリレンズの重さはわずか230グラム。50ミリだと遠くに飛んでいる鳥を大きく写すことはできないけれど、そのまま撮れば「ああ、遠くに鳥が飛んでいるな」という写真が撮れます。要は自分のほしいイメージしだいで、慣れればこのレンズでほとんどのシーンが撮れるのです。
もっとも広角レンズはどうしても必要なので、28ミリと21ミリを持っていきました。が、これも考え方しだいで、広角レンズで全体を1枚に収めるのか、それとも50ミリで部分を切り取って全体を想像させるのかで使い方も変わるでしょう。そういうイメージと視覚のあいだを現場でいろいろ考えるのも単焦点レンズのおもしろさです。ズームだと1発で決まってしまうので、ほとんど考えることがありません。
どうでもいいようなことをつらつらと書いてしまいました。アナクロなやつだと笑ってやってください。(だけど、写真を撮るという行為において、最新鋭のオートフォーカス機よりも約半世紀まえにつくられたマニュアル機の方が撮りやすいというのはどういうことでしょう?)
いまさらライカの長所を書くこともないのですが、たぶんほとんどの人は触ったこともないと思うので、一応書いてみます。
1)たいていの一眼レフ機よりコンパクトで軽い
2)シャッター音がしずか
3)レンジファインダーが正確で、すばやくピント合わせができる
4)機械式カメラなので電池がいらない
5)システム上、ズームレンズが使えない
「大ライカ」などとライカファンから揶揄されたM5ですら、ふつうの一眼レフ機よりは小さくて軽いです。ちなみに仕事でよく使うD500とズームレンズの組み合わせで1500グラム。当初考えていたF6とズームレンズだと1600グラムの重さになります。M5に50ミリレンズならちょうど1000グラムなので、そのコンパクトさがわかります。
また人物スナップを撮るときに一眼レフ機のような大きなシャッター音はかなり目立つ。かくし撮りなどまず無理でしょう。M5なら相手に気づかれることなく撮ることが可能です。そういう写真がいいか悪いかはまた別問題ですが。
ピント合わせは撮影のスピードに直結します。オートフォーカス機はいちいちピントを合わせにいくので時間がかかって仕方がない。マニュアルに切り替えるとヘリコイドの回転角が少なすぎて細かい置きピンができないという不便さがあります。その点、ライカのマニュアルレンズには10メートルまでの間に8つもの距離指標があるので、慣れればファインダーを覗くまえにピント合わせを済ませておいて瞬時にシャッターを押すことができます。これはどんなオートフォーカス機よりも圧倒的に速いです。
さらにライカの美点でもあるバッテリーレス。いやじつはM5には露出計が内蔵されていて、それを動かすためにMR9という小さな電池が必要です。MR9はもう製造されていないので、代替品として僕はMRB625という電池を使っています。ほかにもアダプターを介してSR43なども使えますが、それぞれ電圧が微妙にちがうので、フィルム感度を設定するときに微調整する必要があります。僕の場合オーバー目に出るので、ISO400のフィルムでISO(ASA)360に設定して、やや減感しています。
なおこの電池はシャッターの駆動とはまったく連動していないので、もし電池がなくなっても撮影は問題なくできます。というか、1年以上前に入れた電池がいまもバッテリー指標にビンビンに反応してるので、いったいいつなくなるのか。ほとんど電池のいらないエコカメラです。
さいごに交換レンズについて。ズームレンズはたしかに便利ですが、重くてかさばるのが難点です。この旅で一番よく使った50ミリレンズの重さはわずか230グラム。50ミリだと遠くに飛んでいる鳥を大きく写すことはできないけれど、そのまま撮れば「ああ、遠くに鳥が飛んでいるな」という写真が撮れます。要は自分のほしいイメージしだいで、慣れればこのレンズでほとんどのシーンが撮れるのです。
もっとも広角レンズはどうしても必要なので、28ミリと21ミリを持っていきました。が、これも考え方しだいで、広角レンズで全体を1枚に収めるのか、それとも50ミリで部分を切り取って全体を想像させるのかで使い方も変わるでしょう。そういうイメージと視覚のあいだを現場でいろいろ考えるのも単焦点レンズのおもしろさです。ズームだと1発で決まってしまうので、ほとんど考えることがありません。
どうでもいいようなことをつらつらと書いてしまいました。アナクロなやつだと笑ってやってください。(だけど、写真を撮るという行為において、最新鋭のオートフォーカス機よりも約半世紀まえにつくられたマニュアル機の方が撮りやすいというのはどういうことでしょう?)