Happyday of LUCKY

日々の気付きと感謝を忘れないように綴るページ

贅沢なあそび

2016年02月29日 | Life
あしたから写真展「GIFTS -受け継ぐもの-」がはじまる。



写真をやっている人間にとって写真展は最高の舞台であり、誤解を恐れずにいえば "あそび場" でもある。
今回は写真制作にかかる費用のほか、ギャラリーの賃料、レンタルフレーム代、DM製作費などを合計すると20万円ほどかかっている。これが安いか高いかはその人の価値観によるけど、たとえば今の時期ならハワイあたりだとけっこう贅沢に行って帰って来れるだろう。
おなじ1週間をハワイですごすか、ギャラリーですごすか。そう考えると写真展というのは贅沢なあそびなのである。

今回は過去3回とはちがうギャラリーで開催している。
その理由はいろいろあって、ここには書けないデリケートな話もあるが、一番大きな理由は去年このギャラリーでグループ展をしたことである。まっ白な壁と天上の高い(5メートルほどある)広々とした空間がとても気に入ったので、今度は個展をしたいなと密かに思っていたのだ。

きょう搬入作業をおえてギャラリーを見わたしたとき、自分の撮った写真たちがきれいに額装されて整列する様になんともいえない気持ちよさがあった。
パソコンでちまちまと写真を見て、どの写真をどうならべようかとシミュレーションしていたが、やはりじっさいの写真が目のまえにならぶと格別だ。バーチャル空間では感じられないおもしろさがある。
どうかお近くの方は(遠くの方も)ぜひギャラリーに足を運んで「写真」を見るたのしみを体感してほしい。

モランディの狂気

2016年02月13日 | Life
なんの変哲もない瓶や器をテーブルにならべ、おなじような静物画ばかり描いているジョルジョ・モランディ(1890-1964)というイタリアの画家をご存じか。
わたしは美術の教科書に紹介されている程度にしか知らないし、もちろん原画を見たことはない。どこにでもあるようなモチーフなので、まったく興味がなかった。
先日、友人のQさんが兵庫県立美術館で開催中の「ジョルジョ・モランディ -終わりなき変奏-」展がとてもよかったというので、「一応見ておくか」くらいの気持ちで見にいく。



展示作品はデッサンにはじまり、水彩画、油彩画、版画があり、風景や植物なども描いているが、その大半がおなじような瓶やら器ばかりの静物画だ。そしてタイトルもすべて「Stilll life(静物)」なのである。
おなじモチーフを一生涯とおして描きつづける、このしつこさは驚嘆に値する。というか、狂気さえ感じてしまう。

おなじモチーフではあるが、年代ごとに作品をよく見ていくと、その変遷ぶりが見えてくる。
初期作品は光と影をしっかり描きこんだアカデミックな写実表現である(左の写真)が、彼が50歳くらいになると物の表面のディテールが省略化され、構図にもまとまり感がでてくる(中)。さらに1950年代以降、晩年になると影まで省略され物の形と色だけになり、構成的な表現がつよくなる(右)。



かつてわたしも絵筆をとっていろいろなものを描いていたころがある。
ちょうどポップアートやコンセプチャルアートといった前衛的な芸術運動が全盛のころで、「印象派なんてクソくらえ!」みたいな気持ちでわけのわからない絵やらオブジェをつくっていた。
だがまったく芽が出ないまま、なにを描けばいいのかわからなくなり、自然消滅してしまった苦い経験がある。

あのころにモランディと出会っていれば、もしかしたらいまだに絵を描いていたかもしれない。
彼は画壇のどんな派閥にも属さずに、たった一人で静物を描きつづけた希有な画家である。自分の表現を執拗に追い求めるこの姿勢こそ、表現者たるのだと強く感じた。
ああ、なんかまた絵が描きたくなってきたなあ。(この気まぐれさが大成しない原因です?!)

よみがえるあの感覚

2016年02月11日 | Life
その日の調子にもよるが、ランニング中にだいたい7~8キロ走ると苦しさがすーっと消えて、どこまでも走れそうな気分になるときがある。いわゆるランナーズハイという状態である。
このゾーン状態はいろんなスポーツにも共通することのようで、あのテニスの松岡修造氏も現役のころ、試合中にゾーンに入るとどんなボールが飛んできても打ち返すことができたという。そしてそのときの状態はとてもしずかで、時間がゆっくりと流れ、ボールがスローモーションのように見えたらしい。

プロのプレーヤーとはちがうものかもしれないが、わたしはバイクを運転中にもゾーンに入ることがある。
山間のワインディングをテンポよく走っていると、たまにそういう状態になる。わたしはそれを「バイカーズハイ」とよんでいる。
この状態になると、自分で運転しているにもかかわらず、からだが勝手にうごいて、わたしは次々に出てくるカープの走るラインをただイメージするだけで、バイクが勝手にそれをトレースしていく。まるで自動運転のように旋回していく。

このとき松岡氏がいうように、景色はとてもゆっくりと流れていく感じがする。時間の密度が増したよう。
こころは興奮状態ではなく、むしろ落ちついている感じなので、もし路面になにか障害物が落ちていたり、対向車がはみだして来たとしても、あわてることなくスムースに進路を変えることができる(ような気がする。じっさいはそんな場面に遭遇したことはない)。



きのう急にバイクで走りたくなり、「明日は忙しいですか? もし空いてたらちょっと走りにいきませんか?」と友人のPさんにメールしたら、ふたつ返事で「明日オッケーです」と返ってきた。
で、きょう二人で走りにいくことになった。
コースはPさんにおまかせ半日コースで、ただ彼のSRX6に付いて走る。国道169号を吉野川まで南下し、川沿いを東へ。東吉野村に入って、高見川に沿って国道166号を走る。
このあたりを軽快に走っている(といってもそれほどスピードは出ていない)と、バイカーズハイがやってきた。もうどこまでも走れそうだ。

だが自動運転とはいえ、寒さには勝てない。松阪市に入って飯高という道の駅で休憩。昼食をとる。
注文したワンコインランチは豚汁のセットで、これがなかなか美味しくて感激。からだとこころが暖まる。
そこから国道368号→369号を通って帰路につく。
きょう1日の走行距離は約250キロ。冬場あまり乗っていなかったけど、久しぶりに長い時間乗ることができてよかった。
あらためてバイクっておもしろいなと思う。


つめたい風が吹いているだけ

2016年02月09日 | Life
友人のOさんが今月末にマラソン大会に出るという。
正確にはリレーマラソンの大会で、フルマラソンの距離を複数の人間でリレーして走るらしい。つまり駅伝みたいな。
下見も兼ねて千里の万博記念公園へいくことにした。



今朝、つめたい雨が降っていたので走れるかなと心配していたが、現地に着くとまずまずのお天気。
かつてエキスポランドのあった場所に、去年11月にオープンしたららぽーとEXPOCITYなる複合施設ができていて、平日だというのにものすごい人出におどろく。中国人客も多い。爆買いツアーに入ってるのかな。
まずはCNNカフェで作戦会議。というか近況報告。いつの間にかカメラの話になっている。
いろんなタイプのカメラマンがいるが、わたしの知る女性でカメラ機材につよい人はすくない。そのなかで彼女は希有な存在だ。わたしよりカメラ持ちだし。



さて万博記念公園へいくと、ららぽーととは対照的でだれもいない。ただ、つめたい風が吹いているだけ。(←70年代のフォークソングっぽい?)
まずウェアに着替えて、準備運動から。
スクワットや腕ふり、もも上げ、ぴょんぴょんスイスト(!)、など体幹を意識しながらテンポよく稼働部位を動かしていく。
準備運動は静的なストレッチよりも、動的な運動の方が筋肉に刺激が入っていいみたいだ。

本番当日のコースをじっさいに走ろうと思っていたが、公園の外にある外周道路はふだんは立ち入り禁止になっていて、出入口には鍵がかかっていた。
しかたがないので公園内の芝生のうえをゆっくりと走る。Oさんに聞くと、いつも家の近所の公園ではもっと速いスピードで走っているという。
わたしは練習のとき、だいたい1キロ5分30秒前後のペースで走っているが、初心者のランナーなら7分くらいのペースで十分だとおもう。目安はおしゃべりしながら走っても呼吸が乱れないくらいのスピード。
こんなに遅くていいの? と感じるくらいでちょうどいい。そのペースで15分、できれば20分以上走ることができれば、やがて走るための筋力がついて自然にペースも上がってくる。



ちょうど10分ほど走って、そのあとは腕を大きくふりながらウォーキング20分。
もうちょっと走りたいな、というくらいでやめておくのがミソ。そうすればまた明日も走りたくなるのです。
さいごにストレッチをして本日の練習は終了。
ららぽーとにもどって、遅い昼食をたべながら反省会をする。いや、べつに反省することはないけど。

冬山のたのしみ

2016年02月07日 | Life
2月に入った。
毎年この月には霧氷を見に冬山に登っているが、きょうは久しぶりに高見山へいく。
高見山は奈良と三重の県境にある「近畿のマッターホルン」とよばれる山だ(標高1248メートル)。
いっしょに登るメンバーは常連のLさん、Mさんと、初参加のNさん。



榛原駅から奈良交通の臨時バス「霧氷号」に乗り、小1時間で高見山登山口に到着。スパッツを付け、かるく体操して、10時に出発。
からだが本調子でないNさんに合わせて、途中何度か休憩しながら、スローペースであるく。
乳岩の分岐点でアイゼンを付け、さらに山頂をめざす。息子岩を越えたあたりから木の枝に霧氷があらわれた!
すこしずつ樹木が白く色づいてきて、山頂付近ではうつくしい雪の造形を見ることができた(ホントは霧氷は雪ではなく、空気中の水蒸気が放射冷却によって凍る現象です)。
13時ちょうどに山頂に着く。ああ、絶景かな。



山小屋に入って昼ごはんをたべる。わたしはいつものガスコンロでお湯を沸かし、みんなに熱い味噌汁をふるまう。
いやー、こういうところで飲む味噌汁は、インスタントでもじつに美味しい。冬山のたのしみのひとつです。
鍋を片付けるとき、フタに付いてた水滴が食事のあいだに凍っていたのでおどろいた。からだは暖まったが、気温はまちがいなく氷点下だ。

帰路は乳岩から高見平野の方へ下る。たかすみ温泉のあるところ。2時間すこしで無事に下山する。
16時発のバスに乗ってふたたび榛原駅へもどる。
そのあと汗を流しにみはる温泉へ。つるつるとしたお湯に浸かっていると、一日あるいた疲れが癒される。ああ、これも冬山のたのしみ。
そしてさいごはお決まりの乾杯。風呂あがりの生ビールは最高でした。



霧氷号は今月28日(日)まで運行しているので、まだまだ霧氷を見るチャンスはあります。