Happyday of LUCKY

日々の気付きと感謝を忘れないように綴るページ

アツくなるけどZ9はいいカメラ

2022年06月21日 | Camera
くだんのニコンZ9であるが、約半年使った感想をすこし。



いろんなユーチューバーやブロガーが言ってると思うが、まず、電子ビューファインダーの見えがいい。わたしの個体はやや青みが強い気もするが、タイムラグはまったく感じなくて、レフ機のそれと遜色ない。それよりも覗きながら露出がリニアに見えるので、撮影後の確認がほとんど必要ないのがよい。ただクリップオンのストロボを使うと、ファインダー像が一定の明るさに固定されてしまうので、オフにした状態で露出を決める必要がある。わたしはファンクションボタン3にストロボのオン・オフを当てていて、それを押しながら(つまりオフにしながら)露出を確認している。ことばで書くとややこしそうだが実際はかんたんな操作で、慣れればだれにでもできる。

つぎに優れているのはピントの合焦精度である。とくに動きものの精度が非常によい。コンティニュアスモードで被写体を追いかけていると、まるでムービーを操作しているがごとくピントが合い続ける。そのファインダー画像を見ながら、「ここだ」いうところでシャッターを押すだけで、確実にピントの合った画を写すことができる。その正確さは本当におどろくばかり。打率でいうと1000枚撮ってだいたい990枚くらいは合っている。ピントの外れた10枚のうち、手前の被写体に引っ張られて前ピンになってしまったカットが5枚くらい、あとの5枚はシャッターを切る瞬間にズームリングを回してしまってピントが外れた、いわば人為的ミス。



さらに秀逸なのは縦位置にかまえたときにタテ方向にチルトするモニタだ。これは証明写真のようなポートレイト撮影のときに威力を発揮する。ファインダー内ではなかなかわかりにくい身体の傾きが、大きなモニタだと気がつきやすい。また縦位置での物撮りのときにも有効で、大きくフレームを決めたのち拡大ボタン(+)でピントを追い込むといった使い方もよくする。レフ機だと試し撮りして画像を再生しピントを確認するという作業を数回繰り返さねばならないが、ミラーレス機だと試し撮りする必要すらない(じっさいはするけど)。

しかしながら不安材料がないわけではない。屋外での撮影で頻繁にシャッターを切っていると、ボディが熱くなってきて「HOT CARD」という警告が何度も出た。その度に電源をオフにしてやりすごすのだが、つぎつぎにシャッターを切らねばならない場面(たとえば炎天下での運動会とか)では肝が冷える思いで撮影している。いまのところシャッターが切れなくなる事態は起きていないが、Z5やZ6Ⅱでは切れなくなった経験がある。ミラーレス機が熱に弱いというのは宿命のようで、タイトな撮影現場ではすぐにサブ機を出せるよう準備しておく必要がある。気持ちわるいのでニコンのサービスで点検したが、エラーの履歴は残っているものの「HOT CARD」という警告は再現されず(そりゃそうだろう)、「ようすを見てください」と言われるのみでどうしようもない。

あと、これはZ9の機能とは関係のない話であるが、われわれカメラマンの世界はせまいもので、わたしがZ9を買ったというウワサはすぐに広まってしまった。現場で久しぶりに会うカメラマンにも伝わっていて、ちょっと触らせてという人までいる。まあしかし、おかげで音楽会やダンスの審査会の仕事が舞い込んでくるという、うれしいオマケもある(音楽会などはレフ機のシャッター音を嫌うクライアントが多いのです)。半年使ってほぼ減価償却できたかな。

ニコンZ9 うれしいボタンとカスタマイズ

2021年12月27日 | Camera


大枚を叩いてニコンZ9を買った。
Z6ⅡとZ5でも仕事はできるが、短時間に何百枚も撮るとボディが熱くなってきて、ヘンな動作をするときがある。Z5は途中でシャッターが切れなくなることが一度あった(しばらくすると動きだしたが)。やはり初級機・中級機はそこまでハードな使い方を想定していないのかもしれない。
そんなわけで不安材料を減らすことが良い仕事につながるのだとすれば、もうプロ機を使うしかないという結論になった。

すでにYouTubeやSNSで性能や使い心地がレビューされているので、できるだけ重複は避けたいと思う。とりあえず初期設定をしながら気づいた美点をいくつか挙げてみた。おそらくまだだれも発信していないことだろう。



一つ目はカメラを構えて左下にフォーカスモードのボタンが付いたこと。これはニコンのレフ機にはもともと付いていたものであるが、Z機になってなくなってしまった。フォーカスモードを変更するには「i」ボタンを押したあとフォーカスモードの場所へ十字キーで移動し「OK」ボタンで選択したのち、任意のモードへやはり十字キーで移動し「OK」というまどろっこしい操作を強いられる。しかもフォーカスモードと同時にAFエリアも変えることが多いので、またもや「i」→十字キー→「OK」……(以下省略)を強いられるわけだ。

1秒を争うタイトな撮影現場でこんなチンタラしていては大切な場面を逃しかねない。いつもイライラしながらフォーカスモードとAFエリアの変更をしていたので、このボタンが付いた(戻ってきた)ことは非常にありがたい。大きな躯体になって重くなったけど、このボタンを付ける場所ができたことが単純に喜ばしい。



二つ目は「ISO」と「delete」の2つのボタンを同時に長押しするとただちにメディアカードのフォーマット画面に切り替わることだ。これも今までのレフ機にはふつうに付いていた機能なのに、なぜかZ機になってできなくなっていた。もとに戻っただけで特別あたらしい機能でもなんでもないが、いちいちメニュー画面からフォーマットしなければならなかったZ6やZ5(おそらくZ7も)に比べると、格段に早く仕事ができるという点で喜ばしいことだ。



三つ目はファンクションボタンやAF-ONボタンのカスタマイズの内容で、少々マニアックな話になるが、プロはこんな使い方をしているという一例として聞いてほしい。
このAF-ONボタンは通常シャッターボタンのAF機能をオフにしてピント合わせは親指でするときに使うことが多い。わたしも以前はそんな使い方をしていたが、動きものをたくさん撮るようになり親指フォーカスでは間に合わなくなって、従来のシャッターボタンでのピント合わせに戻した。コンティニュアスモードで連写するならその方が早いのである。
それでAF-ONボタンにどんな機能を割り当てたかというと、ピンポイントAFエリアへの切り替えにしたのだ。通常はワイドAFエリアで十分なのだが、やや込み入った被写体で正確にピント合わせをしたいときに、このボタンを押すと瞬時にAFエリアが小さくなる。合わせたい場所にピントをロックしてそのままシャッターを切ればいい。

でもこの割り当てもじつは以前からレフ機には付いていたもので、べつに目あたらしい機能ではない。Z9でできるのならほかのZ機でもファームウエアの更新でできそうな気もする。ぜひそうしてもらいたいものだ。結局、いま挙げた3点ともレフ機では標準装備だったわけだから、それがもとに戻ったというだけの話。
この年末年始に試し撮りする予定なので、その画像や使い勝手は年明けに。

Z24-200ミリは万能レンズ

2020年08月30日 | Camera


高倍率ズームは便利だが画質がよくないと言われていたのはもう二昔まえの話。ニコンZ5といっしょに買ったニッコールZ 24-200mm f/4-6.3 VRは、どの焦点距離でもとてもよく写るレンズである。しかも570グラムという軽さで、もうこれ1本あれば何でも撮れる万能レンズといってもいい。
とにかくZシリーズに最適化しているので、気持ちいいほど隅々までピントが来る。PCでピクセル等倍にしても恐ろしいほど解像している。画づくりとか色の出方はニコンらしい感じで、これは好みの分かれるところだが、わたしは昔からニコンの力強い画が好きだ。


85ミリを使用(Mモード、1/250秒、F9、ISO100)

↑ピクセル等倍(手前のネットにピントが来てます)

160ミリを使用(Aモード、1/400秒、F8、ISO100)

↑ピクセル等倍(中央のシングルポイントAF。連射は使っていません。めっちゃピント速いです)

200ミリを使用(Aモード、1/500秒、F8、ISO100)

200ミリでも70センチまで寄れるので、マクロレンズ的な使い方もできます。
とりあえずこのレンズがあれば、たいていのものは撮れると思う。あとマウントアダプターFTZがあるので、超広角も単焦点もOK。その試し撮りはまた今度。

ニコンZ5で儲けまっせ

2020年08月29日 | Camera


わたしはニコンの一眼レフカメラをD1Xのころから使っているが、ついにミラーレス機で仕事のできるカメラが出た。このたび入手したZ5は先に登場したZ6とZ7の下位機種という位置付けではあるが、スペック的には連射性能と背面モニタの解像度が劣るだけでZ6とほぼおなじである。特筆すべきはメディアカードのスロットがダブルになったこと。これはシングルスロットの上位機種を凌駕しており、購入の決め手となったところだ。これからはプロカメラマンもレフ機とミラーレス機の両刀を使い分ける時代になると思う。(いや、すでにソニーのミラーレス機で仕事をしている人はたくさんいます)

ソニーのミラーレス機にくらべると一回り大きく、持った感じはけっこうずっしりと重さを感じる。いっしょに買ったZニッコール24-200ミリを付けて重量を計ったら1344グラムであった。最近よく使うレフ機のD780にシグマの24-105ミリを付けると1855グラムで、約500グラム軽量になる。これは一日中持ち歩くと大きなアドバンテージになる重さだ。腕力・筋力の衰えてきたわたしには軽さは正義なのである。





じっくりと時間をかけてセットアップし、それからZニッコールとほかのレンズの撮りくらべをする。一般に高倍率ズームは描写性能が劣るといわれるが、約1段絞ってF5.6で撮ればとてもよく写る。単焦点の35ミリF1.8Gと撮りくらべても、なんら遜色のない写りである。絞りを開けて背景をぼかすような撮り方はできないが、学校行事で子どもたちのスナップ撮影で使うのなら十分な性能だろう。

なおFマウントのレンズを使う場合、FTZというマウントアダプターが必要で、これを介してほとんどのAFレンズは使用可能だ(一部制限あり)。またMFのオールドレンズも取り付けることはできるが、当然ながらピントも絞りも手動になる(けど、使えるというのがニコンの良心です)。ちなみにマイクロニッコール55ミリf/2.8という古いレンズを付けて撮ってみたが、このレンズは驚くほどよく写る。シャープネスも抜けも最新のAFレンズに負けていない。すばらしい!